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パーソルホールディングス
全国の就業者10万人を対象とした「はたらく定点調査」に見るZ世代の就労意識 ~転職するが起業はしない。休暇は自分の記念日や趣味のためにとる。 ビールを勝手に注がれるのはハラスメント~
「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げるパーソルホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO:和田 孝雄、以下パーソルホールディングス)は、「はたらく」を考える全国就業者データベース「はたらく定点調査」を公表しました。今回は本調査のなかから「Z世代」を切り口にしたデータをご紹介いたします。
【調査結果サマリー】
■転職・起業に関する意識:Z世代の転職意識について、「いずれ転職したい」と答えた割合が、58.4%と6割にせまる一方で、「いずれ起業したい」と答えた割合は28.1%と3割未満にとどまった。
・Z世代の転職・起業に関する意識について、「仕事をするときに、どちらの考え方に近いですか」という質問に「(いずれ)転職したい」と答えた割合が58.4%、「(いずれ)起業したい」と答えた割合が28.1%となった。転職については6割弱が視野に入れている一方で、起業することについては3割未満にとどまった。■Z世代のプライベート意識:有給休暇の使い方について、「自分の誕生日や記念日」「家族の誕生日や記念日」あるいは「趣味のため」と回答した割合は各世代で最も高かった。
・企業選択をするにあたって重視しているポイントで「休暇の取りやすさ」を上げた割合は、Z世代、Y世代、X世代、ベビーブーマーのなかで2番目に低かった。一方、休暇の使い方に関しては「自分の誕生日や記念日」「家族の誕生日や記念日」あるいは「趣味のため」と回答した割合が各世代で最も高かった。■ハラスメント意識:調査した多くの項目でZ世代のハラスメント意識は各世代と比較して低かった一方、「個人の権利」を侵害するような項目については高い拒否反応が見られた。
・質問した多くの項目において、Z世代は「ハラスメントだと思う」と答えた割合が最も少なかった。一方で「ビールを勝手に注文された」「有給休暇を別日にするようにお願いされた」「プレゼントのためのお金を徴収された」といった項目について、ハラスメントだと感じる割合は各世代で最も高かった。本データは「はたらく定点調査」のなかから、世代間を比較したデータを抜き出したものの一部です。
「はたらく定点調査」は幅広い世代の多様なデータを通じて、はたらき方に関わる生活全般の実態と変化を可視化しています。地域別、ジェンダー別、年収別、年齢別、職業・職種別、さらには価値観など、さまざまな切り口でデータを抽出することが可能です。
「ワークライフバランス」「女性活躍」「柔軟なはたらき方」「ダイバーシティ」など、現在は「はたらく」に関する価値観はかつてないほど多様化しています。本調査を通して「はたらく」に関するさまざまなデータをご紹介することで、自らのキャリア選択を考える一助としていただきたいと考えています。「はたらく定点調査」データベース:https://data.persol-group.co.jp/
※メディア向けにはデータベースに掲載している情報よりも、さらに詳細なデータを提供することも可能ですTOPICS
1.転職志向と起業志向について
●転職志向(各世代比較)
Z世代の転職志向について、「(いずれ)転職したい」と答えた割合が58.4%と6割に迫り、各世代と比較しても最も割合が多かった。●起業志向(各世代比較)
Z世代の起業志向について、「(いずれ)起業したい」と答えた割合は28.1%と3割に満たなかった。2.仕事とプライベートへの意識について
●はたらくうえで重視していること(各世代比較)
Z世代の「働くうえで重視していること」について、「休暇の取りやすさ」を挙げたのは36.3%で各世代と比較して2番目に低かった。●有給休暇の取得目的
休暇の利用方法について各世代の比較をしたところ、Z世代が最も高かったのは「趣味のため」「自分の誕生日や記念日のため」「家族の誕生日や記念日のため」といった項目で、より個人的な目的で取得していることがわかった。3.ハラスメントに対する意識について
多くの項目で世代が上がるにつれて、「ハラスメントだと思う」と答える割合が高い一方、「有給休暇を別日にするようお願いされた」「勝手にビールを注文された」「プレゼントを渡す際のお金を徴収された」といった個人の権利や多様性の尊重に関連する項目で、Z世代が各世代で最も高い割合を示した。■結果考察 パーソル総合研究所 研究員 金本 麻里
Z世代の転職率はコロナ禍等の影響もあってか近年やや減少しています※1が、本調査結果から、潜在的には約6割のZ世代が将来的な転職の意向をもっていることがわかりました。終身雇用が崩壊したといわれる中で育ったZ世代は、従来とは異なる転職観をもっていると言われており、今後も注目ポイントといえます。対して起業したいZ世代は3割にとどまりました。起業よりも転職でのキャリア形成を志向していることがわかります。起業意向のある若手は増えています※2が、まだ多くの若手にとって身近な選択肢とは言えないようです。
「多様な個の尊重」という点で、Z世代とその上の世代との間で、価値観が異なっていることも浮かび上がりました。Z世代は個人的な生活を豊かにするために休暇を取得する傾向があり、病気などの理由が少ない傾向があります。「個人が自由に使ってよい権利」という有給休暇本来の定義にしたがってとらえる傾向が、上の世代よりも強いと推測されます。ハラスメントに関する設問からは、Z世代は、「個々人の多様な価値観・事情」を考慮することなく、多数派の意見を押し付けるような行為、いわゆる同調圧力を、ハラスメントと感じやすい傾向がみられました。多様な個を尊重する社会に変化する中で、Z世代は一歩先を歩いていると言えるかもしれません。※1 厚生労働省「労働力調査」の15歳~24歳データを参照
※2 パーソル総合研究所「働く1万人の就業・成長定点調査」の20代のデータを参照
今後どのようなキャリアを考えていますか? - 働く10,000人の就業・成長定点調査 - パーソル総合研究所 (persol-group.co.jp)■調査概要
調査方法:オンライン
調査時期:2023年3月
調査対象:15歳から69歳の男女・本業または副業ではたらいている人
調査人数:100,000人■パーソルホールディングス株式会社について
1973年の創業以来、人材派遣、人材紹介、アウトソーシング、設計開発など人と組織にかかわる多様な事業を展開。2008年10月に共同持株会社テンプホールディングス株式会社を設立。2017年7月よりパーソルホールディングス株式会社へ社名を変更。
東京証券取引所プライム市場上場(証券コード:2181)。2023年3月期売上高1兆2,239億円。■「PERSOL(パーソル)」について< https://www.persol-group.co.jp/ >
パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」 を実感できる社会を創造します。