Z世代とは、1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた、これからのビジネスシーンを担っていく世代のことです。大きな社会の変化に晒されてきたZ世代には、仕事に関してもそれまでの世代とは異なる特徴や傾向が見られます。
本記事では、そんなZ世代のはたらき方や重視する価値観、副業・パラレルキャリアとの関わりについて解説しています。あわせて、Z世代の従業員に対する企業の向き合い方も紹介していますので、ぜひ社内の人事施策などにお役立てください。
この記事でわかるポイント
- Z世代は自分らしさや多様性を重視し、柔軟なはたらき方を求める傾向があります
- Z世代はプライベートの充実や社会貢献性、自己成長などに重きを置いて仕事を選ぶ傾向です
- 副業やパラレルキャリアにも関心が強く、やりがいやスキル習得を目的に動く人が多いです
- 企業には、柔軟な制度整備や丁寧なコミュニケーション、個別の支援体制が求められます
- 人事戦略や組織づくりにおいて、Z世代の理解が重要なカギとなります
Z世代の特徴・他の世代との違い
まずは、Z世代という言葉の定義と、世代としての特徴について解説します。
Z世代の定義
Z世代とは、1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた、2025年時点で13歳~29歳前後の人々を指します。元々はアメリカで生まれた世代区分であり、Z世代の「Z」にはX世代と呼ばれる世代から見てアルファベット順で2つ後の世代という意味があります。
Z世代の価値観や考え方に多く見られる傾向としては、効率重視や安定志向、自分らしさを大切にすること、仲間意識が強いこと、多様性や社会課題への関心が高いことなどが挙げられます。また、スマートフォンやSNSといった、デジタルツールに習熟していることもZ世代の特徴です。
こうした特徴の背景には、コロナ禍や超高齢化社会といった先の見えない不安定な時代を経験していることや、生まれながらにインターネットが身近な「デジタルネイティブ」であることなどが、要因として挙げられています。
ミレニアル世代、X世代との違い
Z世代より以前の世代のなかでも、現在人口の多くを占めているのがミレニアル世代(Y世代)とX世代の二つの世代です。
なかでもミレニアル世代(Y世代)とは、Z世代の直前にあたる1980年代~1990年代前半に生まれた世代のことです。ミレニアル世代にはIT分野や多様性への関心の高さといったZ世代との共通点も多く見られる一方、Z世代と比較して若干考え方が楽観的で、消費に積極的な傾向があるとされています。
また、X世代はミレニアル世代以前の1960年代後半~1970年代に生まれた世代です。X世代はインターネットを活用することもあるものの、TVや雑誌などによる情報収集の比重も大きい世代であり、価値観の面では個人主義で向上心が強いといった傾向が見られます。
| 出生年 | 傾向 | |
|---|---|---|
| Z世代 | 1990年代半ば~2010年代序盤 (Y世代) |
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| ミレニアル世代 | 1980年代~1990年代前半 |
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| X世代 | 1960年代後半~1970年代 |
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Z世代のはたらき方の特徴
Z世代特有の考え方や価値観は、はたらき方にも影響を及ぼしています。Z世代のはたらき方には、主に以下のような特徴が見られます。
プライベートの時間を重視する
効率主義かつ自分の価値観に沿って行動するZ世代は、ワークライフバランスへの意識が強く、仕事とプライベートの両立を大切にします。そのため、自分の時間や家族と過ごす時間を十分に確保できる、余裕のあるはたらき方を求める人が多い傾向にあります。
逆に、長時間の残業や休日出勤といったはたらき方はあまり好まれず、場合によっては退職の理由になることもあります。
自由なワークスタイルを求める
コロナ禍による外出自粛などを早い段階で経験していることもあり、Z世代ははたらき方に関して柔軟な考えを持っています。たとえば、リモートワークやフレックス制度などを利用した、時間や場所にとらわれない勤務形態もZ世代の間では一般的です。
ほかには、思い描く将来像やキャリアプランが多様で、正社員以外にも幅広い選択肢を持っていることもZ世代の特徴といえます。より自分らしいキャリアを実現する方法として、業務委託やフリーランス、副業といったはたらき方を選ぶ人も多く見られます。
チームワーク・コミュニケーションを大切にする
リモートワークといった出社しないはたらき方が受容されている一方で、Z世代は横のつながりやコミュニケーションの重要性も認識しており、「人とのやりとりはなるべく対面で行いたい」と考える人が多いのも特徴です。
その要因としては、コロナ禍やインターネット環境の発達を経て、リアルなコミュニケーションの価値が再び注目されていることなどが考えられます。
Z世代が仕事で重視する価値観
ここからは、Z世代が仕事において重視している価値観を紹介します。以下のような要素に関して優位性のある仕事や職場は、Z世代にとって魅力的なものとなるでしょう。
企業のビジョン・社会貢献性
SDGsや社会課題への関心が高いZ世代は、仕事においても「はたらく意義」を大切にしています。自分の仕事が誰に対してどう役立つかを知ることは、はたらくうえでのモチベーションに大きな影響を与えます。
そのため、似た内容の仕事であれば、Z世代はビジョンがより明確な企業ではたらきたいと考える可能性が高いです。なかでも、携わる事業や業務の社会貢献性が高い場合には、さらに意欲的に仕事に取り組むことができるでしょう。
仕事のやりがい・自己成長
Z世代は仕事への対価として、具体的な報酬だけでなく、業務を通じて得られるやりがいや自己成長のチャンスも重視しています。こうした価値観の背景には、目に見えるものよりも経験や体験への関心が強いというZ世代の特徴があります。
一方で、Z世代は物事に関して明確な価値観を持っており、自分自身にとってメリットがある事柄を選ぶ力に長けています。一般的に良いとされている経験であっても、それが自らの希望や将来設計に合致しなければそれほど価値は感じません。
自由度の高さ・個人の尊重
多様な価値観を持つZ世代は、はたらき方やキャリアの選択肢が豊富な環境を求めています。たとえば、リモートワークといった自由なはたらき方を支える制度や、キャリアチェンジのしやすさなども重要な要素です。
また、人によって異なる価値観やライフスタイルに対して、組織や職場がどれだけ理解を示してくれるかという点にもZ世代は目を向けています。具体的には、相談窓口などを設け、従業員の希望に寄り添う姿勢を見せている企業が好まれます。
Z世代と副業・パラレルキャリアとの関係性
Z世代は副業・パラレルキャリアといった、並行して複数の仕事や活動をするはたらき方への関心も強いことが指摘されています。その背景には、以下のような要因があります。
リスクヘッジ・収入の多様化
社会を取り巻く状況が目まぐるしく変化する現代では、時として企業やビジネスが思わぬリスクに直面することがあります。そんな今の時代において、複数の収入源やキャリアを持つことは万が一の際の備えとしても有効です。
また、近年はインターネットを介したビジネスの発展などにより、仕事の種類や収入を得る手段も多様化しています。そうした新しいはたらき方の誕生も、副業やパラレルキャリアへの関心の高まりに影響を与えていると考えられます。
好きなことを仕事にする意識の強さ
Z世代は安定志向で失敗を恐れる傾向も強いものの、自らが興味・関心のある分野には積極的に挑戦します。そのため、リスク回避や収入といった目的ではなく、純粋なやりがいを求めて新たな仕事・活動をはじめるケースも多く見られます。
特に、副業やパラレルキャリアを通じて得られたスキルは仕事以外の場面で活きることも多く、プライベートを大切にするZ世代にとって魅力的な要素となっています。
Z世代に対する企業の向き合い方
最後に、Z世代の従業員に対する向き合い方として、今後企業に求められる取り組みを紹介します。
柔軟な勤務体制やキャリアパスの提供
Z世代は仕事においても自分らしさを大切にしており、はたらくうえで重視する要素は人によって多岐にわたります。そのため、企業にはリモートワークや独立支援制度などを導入し、幅広いはたらき方やキャリアを選択できる環境を整えることが求められます。
また、これらの制度は単に導入するだけでなく、利用しやすい雰囲気を社内に形成することも重要です。Z世代には自己主張が苦手な人材も多いため、上司も従業員の希望に真摯に耳を傾け、そのつど必要なバックアップを行っていきましょう。
充実したサポートや福利厚生の導入
日々はたらくなかで生まれる悩みや要望に応える、サポート体制や福利厚生を確立することもZ世代を支える効果的な取り組みです。なかでもZ世代のニーズが大きい分野としては、メンタルケアやリスキリングなどに対する支援が挙げられます。
そのほか、安定志向が強いZ世代にとっては、社員持株制度といった貯蓄や投資を後押しする制度も大きな魅力となるでしょう。福利厚生の手厚い職場でなら、従業員も長くはたらきたいと考えるはずです。
コミュニケーションの機会の設定
リモートワークなどの柔軟なはたらき方を実現することは、場合によっては社員同士の交流の減少につながってしまう可能性もあります。Z世代は人と人のつながりも重視しているため、コミュニケーションの機会は十分に確保しましょう。
たとえば、普段の業務連絡はチャットツールで行っている企業でも、上司との個人面談はなるべく対面で実施するとより関係性が深まるはずです。ほかには、社内イベントなど、従業員同士が顔を合わせる場を個別に設けることも有効です。
まとめ
本記事では、仕事やはたらき方といった視点からZ世代に見られる特徴を紹介しました。最後に、ここまで紹介した内容を簡潔に振り返ります。
- ● Z世代の理想とするはたらき方は多様であり、仕事においても自分らしさを大切にする
- ● Z世代は世の中の変化にも敏感であり、安定性や社会貢献性に対する関心も高い
- ● Z世代は対面でのやりとりを重視しており、コミュニケーションにも積極的である
以上の内容はZ世代のすべての人材に当てはまるものではありませんが、世代の傾向として知っておくことで、人事施策などを考える際の大きなヒントとなるでしょう。

