住友生命保険相互会社は、健康増進型保険“住友生命 「Vitality」”をはじめとする生命保険事業を通して多くの人生を支えています。
「社会公共の福祉に貢献する」というパーパスのもと、グループVision2030では『ウェルビーイングに貢献する「なくてはならない保険会社グループ」』を掲げました。
お客さまへ向けて、また同様に従業員に対してもWell-beingの実現を目指す同社、ブランドコミュニケーション部の工藤さんと中村さんに、お話を聞きました(※以下敬称略)。
プロフィール:
写真左:中村 博和
住友生命保険相互会社
ブランドコミュニケーション部 部長代理
写真右:工藤 恭平
住友生命保険相互会社
ブランドコミュニケーション部 上席部長代理
この記事でわかるポイント
- 住友生命は「社会公共の福祉に貢献する」という創業精神をもとに、Well-beingの実現を企業ビジョンに掲げています
- 健康増進型保険「Vitality」の導入を機に、経済的補償から心身の健康まで支える保険会社を目指しています
- 社内では「ブランド戦略2.0」を通じて、全従業員にWell-beingの意義を伝えるインナーブランディングを展開しています
- 毎年の全社イベント「ブランド・ライブ」では、社員のはたらき方にスポットを当て、多様なWell-beingの姿を紹介しています
創業時より住友グループに根付いていた、Well-beingの概念
――「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」を掲げた経緯を教えてください。
工藤:住友生命は、1907年創業の生命保険会社です。住友グループに根付く自利利他公私一如の精神を尊重しながら事業を続けており、「社会公共の福祉に貢献する」をパーパスとしています。2011年からブランド戦略を打ち出し、10年を経過した2021年に高田幸徳が社長に就任しました。ブランド戦略も新たな10年に向けてブランド戦略2.0としてWell-beingに取り組むことになりました。そして、2023年に策定されたVision2030にもWell-beingが掲げられています。
中村:この経緯には、2018年に発売した健康増進型保険「Vitality」も大きく関係しています。従来の「リスクに備える保険」ではなく、「リスクを減らしていく健康増進型」というコンセプトのもと、貢献領域を「経済的補償」から「身体的健康」へと広げました。こうした流れの中で、心の健康、社会的健康へと更に貢献領域を広げるべく、Well-beingに着目するにいたりました。
2021年に打ち出したブランド戦略2.0では、「一人ひとりのよりよく生きる=ウェルビーイング」という言葉で、全従業員へと発信されました。
――新たな言葉を用いたブランド戦略に対して、従業員の方から戸惑いの声は聞かれなかったのでしょうか?
中村:当時は今ほどWell-beingという言葉が一般的ではなかったので、戸惑う従業員もいたかもしれません。しかし、「Vitality」の販売を通じて、「豊かで明るい健康長寿社会に貢献する」という考え方は社内に根付きつつあったのではないかと思います。私自身も初めてこの言葉を聞いたとき、違和感はなく、むしろ高い親和性を感じたことを覚えています。
工藤:ブランド推進にあたっては経営メッセージの浸透が最も重要だと思います。その意味で、社長の高田は就任以来、Well-beingについて語らない日はないと言っても過言ではなく、特に年初、入社式、創業記念日などの節目ごとに必ずこの言葉を口にしています。日常の業務報告の場でも、「工藤の一番大事な仕事はWell-beingの浸透だろう」と常に言われるほどです(笑)。
――高田社長がそこまで口にするのはなぜなのでしょうか?
工藤:住友の事業精神と深く関係していると感じています。今年の役員ミーティングでは住友のゆかりの地である京都に向かい、住友の歴史に触れる研修を実施しました。その中で、住友の事業が創業時より社会公共の福祉への貢献に熱心に取り組んでいたことを改めて認識しました。
社長がよく口にする「自利利他公私一如」という言葉には、「住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利する事業でなければならない。 企業は私的な存在であると同時に公的な器である」という意味が込められています。まさにこれこそが住友の事業精神であることを再認識しました。
この考えは、近江商人の心得である「三方良し」にも通じるものがあります。自分も、お客さまも、社会も同時に「良い状態」にしていくことを目指すーこの考え方こそがWell-beingそのものであり、住友グループには創業当時から根付いている概念だと強く感じました。
中村:保険事業そのものが、多くの人からお金を集め、その中から困難に直面した人・不幸があった人にお金を出す、という「助け合い」の仕組みです。そもそも弊社に入社する社員の多くは、社会の役に立ちたいという想いを持っているのではないかと思います。そうした背景を考えると、社員がWell-beingに共感できる素地は備わっているのではないかと感じています。
工藤:住友グループとしても、保険事業の仕組みとしても、Well-beingの考え方は馴染みやすかったのかもしれないですね。
Well-being浸透のカギは、考えるきっかけを提供すること
――2021年以降、従業員へのWell-beingの理解促進は、どのように進めているのですか?
工藤:我々ブランドコミュニケーション部は、アウターブランディングとインナーブランディングに取り組んでいます。
アウターブランディングは対外的な情報発信によるブランド認知の向上を目指し、いわゆる企業CMやWebサイト、また社会貢献活動なども含まれています。従業員への理解促進であるインナーブランディングでは、社内向けポータルサイトの運営や社員向けのイベントなどを行い、経営理念の浸透を図っています。
――それぞれ、具体的に施策をお伺いしたいです。
中村:社内向けポータルサイトはいわゆる社内報を毎週3記事程度、また社長オフィシャルサイトもありまして、こちらは平均して週1回程度のペースで発信しています。他にも全従業員参画型オンラインイベント「ブランド・ライブ」を実施しています。ブランド・ライブは、コロナ禍において「ブランド戦略2.0」を全従業員に伝えるために、オンライン形式で始まったイベントです。その後も毎年1回、7月に開催しています。
毎回、伝えたいことや感じてほしいことをテーマとして設定しており、2021年はブランド戦略2.0やWell-beingに関する説明、社長のメッセージなど、会社からの情報発信を重視した構成でした。一方、2022年は「組織の壁を取りはらい、みんなで情報共有していこう」というテーマを掲げ、社員が主役となることを意識した企画を展開しました。その一例が「FLAT TALK(フラットーク)」です。これは、普段コミュニケーションの機会が少ない本社と支社など、異なる部署の社員同士が語り合える取り組みです。
3年目には、さらに従業員主体の取り組みが進み、司会などもすべて従業員が担当しました。営業職員をはじめとする現場のはたらきぶりに密着した映像をいくつか作り、それぞれが抱える葛藤や喜びを共有しました。この映像では、視聴する従業員が誰かしらに感情移入できるように設計し、「わたしたちは何のために働くのか」を考えてもらうことを目指しました。
4回目となる2024年は、現場の裏側を紹介した前年から変わって本社の裏側を映像にしました。普段はあまり表には出ることのない部分ですが、保険商品を当たり前に販売できるようになるまでにどのような裏側があったのか、日頃当たり前に使われているシステムがどんな苦労を経て生まれたのかを描き、従業員のために尽力している多くの仲間がいることを再現動画で共有しました。
――とすると、会社としてWell-beingの説明に徹したのは最初の1回だけで、次年度からはさまざまなはたらき方を見せる、という方向になっているのですか?
中村:もちろんテーマとしては毎年Well-beingを打ち出しているのですが、Well-beingの捉え方は本当に人それぞれです。住友生命ではたらく人々の姿を通じて、「たとえばこういうはたらき方もWell-beingですよね」と届けるのも、社員一人ひとりが自分ごととして考えられるきっかけになると思っています。「社会公共の福祉に貢献する」を噛み砕いて、「誰かのために何かする “for your well-being” ってどういうことなのだろうか? 」を考える機会にしたいですし、その気づきを自分に当てはめてみるとどうだろうか?を考えてもらう。そういう機会として、インナーブランディングに取り組んでいます。
誰かのWell-beingに貢献できる幸せ
――とこれまで4年間の取り組みの成果は、どのように捉えられていますか?
工藤:まだまだ、十分浸透したとは言えない状況です。でも、私の肌感覚では会社からの発信や社会の流れによって、Well-beingという言葉を見たり聞いたりする機会が増えた従業員は多いのではないかと思っています。我々のゴールは、お客さまのWell-beingに貢献しようと発信を続けた先に、従業員自身のWell-beingを見出してもらうことだと考えています。いわゆるパーソルホールディングスの“はたらくWell-being”だと思うのですが、個人的な理想としては、誰かのWell-beingに貢献することで自分自身のWell-beingも感じてほしい、それが住友グループという会社で感じられる幸せの1つでもあるなと感じています。
――捉え方に正解がないからこそ、企業文化に根付くWell-beingがあっても良いのかもしれないですね。今後は、どのような取り組みをされていくのでしょうか?
工藤:新たな取り組みとして、2024年末より「スミセイ 「for your well-being」アワード」が始まりました。社員間で誰かのWell-Beingに貢献している従業員を一人一票推薦してもらう表彰制度です。お客さまや社会に向けてだけではなく、従業員の間でも誰かのWell-beingに貢献している方はいますし、そういった方に拍手を送る風土ができるといいなと思っています。
中村:我々は営業が主体の会社で業績に関する表彰はしっかりあるのですが、例えば、縁の下の力持ち的な活躍をされている各所属の「この人すごいよね」という人のはたらきぶりも共有していけたらいいなと思っているんです。ゴールド・シルバー・ブロンズ3つの賞があり、ゴールドの方は2025年のブランドライブでご紹介する予定です。
――ちなみにエントリーはどのくらい集まったのですか?
中村:1万7千票ほどですね。システム部門に協力してもらい、普段業務連絡などで使用しているプラットフォームで簡単に推薦できるシステムを作ってもらいました。
――素敵ですね。 ブランド・ライブもスミセイ「for your well-being」アワードも、同じ会社ではたらく従業員のはたらき方を見せることで、多様なWell-beingを伝える。貴社が取り組むWell-being経営は、いろいろな人にスポットライトをあてるのだなと感じました。
工藤:人それぞれに良さがあるので、それぞれ何らかの形で光をあてられたらいいですよね。
中村:我々が2030年に向けて目指すのは、「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」になることです。Well-beingを提供できるお客さまを増やす、具体的には「Vitality」をもっと世の中に広めて、心身ともに健康になることを楽しんでいただき、「Vitality」を選ぶことがWell-beingにつながるということを世の中にもっと浸透させていきたいです。
工藤:そういった保険を提供する我々自身が、Well-beingの浸透に取り組んできてよかったと胸を張って言えることがこれから目指す姿ですね。
