働き方改革が進む中で、「ワークライフバランス」という言葉に触れる機会が増えています。しかし、企業経営者や人事担当者の方の中には「具体的に何を意味するのか?」「ワークライフバランスってどう取り組めばいいの?」「ワークライフバランスが充実することのメリットとは?」と悩まれている方がいらっしゃるかもしれません。
本記事では、ワークライフバランスとは何か、その重要性や課題、期待できる効果などを詳しく解説しています。企業が直面するワークライフバランスに関連する課題の解決策として、これらの情報を活用していただき、組織全体の働きやすさを向上させるために、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかるポイント
- ワークライフバランスとは、仕事と生活を両立させる考え方や取り組み全般を指します
- ワークライフバランスの推進は、生産性の向上や人材の定着といった効果が期待できます
- 企業ができる取り組みは、テレワークや在宅勤務の導入、短時間勤務やフレックスタイム制、有給休暇の奨励などです
- 働きやすさを推進する制度の導入を進める際は、現状の課題を明確にして小さな改善から始めることが有効です
- 実際にワークライフバランス推進に取り組んでいる企業事例もあわせて紹介しています
目次
ワークライフバランスとは?
ワークライフバランスとは、簡単にいうと仕事とプライベートの時間をうまく調和させることです。内閣府では、ワークライフバランスを以下のように定義しています。
仕事と生活の調和が実現した社会とは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」である。
引用:内閣府男女共同参画局“「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」”.仕事と生活の調和」推進サイト.(参照2024-03-27)
https://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/20barrier_html/20html/charter.html
また、ライフワークバランスと似た言葉に「ライフワーク」や「ワークライフインテグレーション」があります。ライフワークとは、やりがいを感じ人生をかけて働きたいと思える仕事のことで、ワークライフインテグレーションとは仕事とプライベートを分けずにどちらも人生の一部として考えることで相乗効果が得られるという考え方です。
そもそも、日本でワークライフバランスという言葉が広まったのは1990年代に入ってからで、それまでは家庭やプライベートよりも仕事を優先するいわゆる“仕事人間”な働き方が理想とされてきました。しかし、バブル崩壊や少子高齢化といった時代の変化によって労働力不足の課題が浮き彫りになり、これまでの働き方を変えていく必要が出てきたのです。
| 1980年代頃 | 1990年代以降 | |
|---|---|---|
| 経済 | 高度成長 | バブル崩壊・長期の経済停滞 |
| 労働者 | 団塊世代の男性中心 | 女性・高齢者の社会進出 |
| 労働時間 | 長時間労働 | 時間<質 |
そこで政府は、労働者がそれぞれの働き方を選択できるように法改正などの取り組みを行う「働き方改革」を打ち出しました。
私たちの人生において、仕事は切り離せない関係にあります。そのため年々、働くことを通して幸福感や満足感が高まることが重要になってくると考えられるようになってきました。
自身にとってのワークライフバランスを最適化させるためには「どういう選択肢があるのかを知ったうえで自己決定すること」が大切になります。
ワークライフバランス推進の目的
内閣府が挙げている、ワークライフバランスを推進する目的は以下の3つです。
- ・就労による経済的自立
- ・健康で豊かな生活のための時間確保
- ・多様な働きの選択
ではこれらの目的について、詳しく見ていきましょう。
就労による経済的自立
経済的な自立を必要とする、特に若者が精力的に働ける社会となること、さらに経済的に自立できる働き方ができ、結婚や子育てといった希望を実現するために、生活において経済的な基盤が確保できる状態を目指します。
健康で豊かな生活のための時間確保
「健康で豊かな生活のための時間確保」を具体的にいうと、
- ・働く人の健康維持
- ・家族などと過ごす時間の確保
- ・自己啓発や地域活動への参加のための時間の確保
などが挙げられます。
これらの時間を持てることで、豊かな生活を送れるようにすることを目指します。
多様な働きの選択
年齢・性別に関係なく、自分のやる気や能力を持って、様々な働き方にチャレンジできる機会が提供されており、子育てや介護など個人の状況に合わせて、柔軟な働き方ができる社会の実現を目指します。
ワークライフバランスを取り入れるメリット
企業がワークライフバランスの実現で期待できる効果として以下の5つが挙げられます。
- 1. 生産性の向上
- 2. 従業員エンゲージメントの向上
- 3. 企業イメージの向上
- 4. 優秀な人材の確保、離職率の低下
- 5. コスト削減
生産性の向上
ワークライフバランスの取り組みを進めるなかで、残業時間の削減や長時間労働の見直しは不可欠となるでしょう。
労働時間が短くなると生産性が落ちそうに思えますが、実はその逆です。厚生労働省が発表した「平成27年版労働経済の分析」では、労働時間と生産性の関係について国際比較で分析していますが、労働時間が短いほど生産性が高くなる傾向があることがわかっています。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/15/dl/15-1.pdf
労働時間を短くすることは、限られた時間内でどう業務をこなしていくか考えるきっかけにもなるため、結果生産性が向上につながると考えられます。
従業員エンゲージメントの向上
従業員の仕事と生活の満足度を向上することは、従業員エンゲージメントの向上にもつながります。従業員エンゲージメントとは、従業員の企業に対する愛情(貢献したいという気持ち)や信頼の度合い、従業員と企業とのつながりの強さを表すものです。従業員エンゲージメントが高い従業員は仕事へのモチベーションやスキルアップに対しての意識も高いため、企業の成長にもつながります。企業にとっても大きなメリットといえるでしょう。
企業イメージの向上
SNSなどあらゆる情報が瞬時に拡散される現代において、企業イメージはこれまで以上に重要とされています。企業イメージは業績や株価に影響を与えるだけでなく、新卒・キャリア採用といった人材確保の点においても重要な要素です。
優秀な人材の確保、離職率の低下
現在の日本は、新卒・キャリア採用ともに売り手市場としての傾向が強まっており、優秀な人材の確保が難しくなっている状況です。企業のアピール競争が激化するなか、従業員の生活に合わせた働き方ができるワークライフバランスを推進している企業は、求職者から見ても魅力的といえます。「従業員を大切にしている」「新しい取り組みにも柔軟な企業」など、良いイメージを作れるため、優秀な人材が集まることが期待できます。
また、企業課題の一つとして、少子高齢化による労働力の確保が挙げられます。新卒・キャリア採用による労働力確保だけでなく、在籍している優秀な社員が流出しないよう離職率を下げ、定職率を上げることも重要です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/19/backdata/2-2-21.html
退職理由はさまざまですが、従業員の生活に合わせた働き方を実施すれば、出産や子育て、介護を理由とした退職者は減少するでしょう。また、従業員満足度も向上するため、離職率低下にもつながります。
コスト削減
ワークライフバランスの取り組みは、コスト削減にもつながります。例えば、労働時間の見直しにより、残業や休日出勤といった人件費を抑えられます。また、光熱費などオフィスの諸経費も削減できますし、長時間労働による体調不良が減れば企業が負担する医療費の削減にもなるでしょう。さらに、ワークライフバランスで従業員の満足度が向上し、定職率が高まると労働力確保のための採用コストも抑えられます。
企業ができる取り組みについて
ワークライフバランスにおいて不可欠ともいえるのが「柔軟性」です。時代の変化とともに働き方も多様化しています。特にコロナ禍では20年後ともいわれていたテレワーク・在宅勤務が急速に進み、今では当たり前となりました。それにより、働く人々の価値観も大きく変わっていき、働く場所や働く時間などに対する考え方も柔軟になってきています。
そこで、企業におけるワークライフバランスに関する取り組みの一例を紹介します。
- ・テレワーク・在宅勤務の導入
- ・時間勤務制度、フレックスタイム制度
- ・長時間労働の削減
- ・健康管理プログラムの提供
- ・育児休業、産前産後休暇
- ・有給休暇の奨励
- ・従業員支援プログラム(EAP)
- ・金融リテラシーの向上
- ・職場での個別面談と研修
テレワーク・在宅勤務の導入
従業員のワークライフバランスへの配慮を目的とし、テレワークを実施している企業が増えています。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/17/dl/17-1-2-2.pdf
テレワークのメリットとして最も大きい割合として、「仕事の生産性・効率性が向上する」が54.4%となっており、ほかにも「通勤による負担が少ない」17.4%、「家族とコミュニケーションがとれる」10.0%などがあります。
このことから、テレワークの実施目的と従業員のメリットはある程度一致しており、双方にメリットがある状況が構築できていることが窺えます。
企業の立場においても、オフィス賃料や電気代といった固定費を削減できますし、従業員の満足度向上も見込めるため離職防止にもつながるでしょう。
短時間勤務制度、フレックスタイム制度
一般的に多くの企業は時間を固定し、1日の実働時間を8時間としていますが、ワークライフバランスの観点では時間においても柔軟さが求められます。実際に企業で導入されているのが、「短時間勤務制度」や「フレックスタイム制度」です。
「短時間勤務制度」とは、1日の所定労働時間を原則6時間とするもので、これは法律で定められています。勤務時間が短くなることで、子育てや介護がある従業員でも無理なくワークライフバランスを保つことができます。
一方、「フレックスタイム制」とは、従業員自らが出社時間・退社時間を自由に決められる制度です。「子どもの送り迎えの時間に合わせる」「介護のためにこの時間から勤務する」「通勤ラッシュの時間を避けて出社する」というように、自由に選択できます。
長時間労働の削減
長時間労働の要因はいくつかありますが、まず挙げられるのは従業員の勤務時間や業務スケジュールをきちんと把握できていないことです。「誰が」「いつ」「どんな業務をしているか」を知ることができれば、無駄な業務フローや時間を見つけられるでしょう。
労働時間が短縮された企業の取り組みには、以下のような内容があります。
- ・実際の労働時間の把握
- ・長時間労働者やその上司に対する注意喚起や助言
- ・仕事内容・分担の見直し
- ・担当者が不在でも他の人が仕事を代替できる体制づくり
- ・休日労働に対する代休の付与
- ・ノー残業デーの設定
- ・オフィスの強制消灯
- ・長時間労働をさせた上司へのペナルティ
長時間労働を削減するには、勤怠管理システムなどのデジタルツールを導入して勤務時間や業務スケジュールを正確に把握することが重要です。また、テレワークの場合は出退勤を目視で確認できないため、PCの操作時間を記録し、勤怠管理システムと連携させることで把握できるようにしましょう。
健康管理プログラムの提供
ワークライフバランスにおいて、心身の健康は切り離せない関係にあります。そこで、企業では自社の健康課題を把握し、それに沿った健康管理プログラムを提供することも有効です。肩こり・腰痛を改善するストレッチなどを行うものや、食事の栄養バランスについての理解を深めるもの、メンタルヘルスチェックなど、プログラムの内容は多岐にわたります。
実際にプログラムを実施している日清食品グループ4社では法定健診を上回る検査項目数で健康診断を実施し、生活習慣病の早期発見・早期治療に備えています。また、産業医や看護師と連携してプレゼンティーイズム調査・エンゲージメント調査を定期的に実施するなど、従業員の心身の健康保持にも取り組んでいます。
出典:丸井グループ.“人と社会のしあわせを共に創る「Well-being経営」”.丸井グループ.(参照2024-03-27)
https://www.0101maruigroup.co.jp/sustainability/theme02/health.html
育児休業、産前産後休暇
育児休業や産前産後休暇は、働く女性が仕事と家庭の両立をしやすくするために非常に重要な制度です。これらの制度を導入することで、女性社員が出産や子育てをしながら仕事とのバランスを取りやすくなります。また、育児休業や産前産後休暇の導入は男性社員に対しても積極的に奨励されるべきです。男性も家庭や子供の成長に関わる機会を持つことで、家族との絆を深めることができます。
有給休暇の奨励
有給休暇は、従業員のメンタルヘルスや働き方改革を推進する上で欠かせない制度です。企業が従業員に対して積極的に有給休暇の取得を奨励することで、従業員のストレスや疲労を軽減し、仕事に対するモチベーションや生産性を向上させることができます。
従業員支援プログラム(EAP)
従業員支援プログラム(EAP)とは、従業員のメンタルヘルス対策として、職場や家庭、個人におけるさまざまな問題を解決するためのプログラムです。
厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」によると、従業員のメンタルヘルスケアにおいて以下の4つの対策を継続的・計画的に行っていくことが重要だとされています。
| 対策 | やること |
|---|---|
| セルフケア | 自分自身でストレスに気付き、適切に対処すること |
| ラインによるケア | 管理職や上司などの監督者が行う、従業員に対するケアのこと |
| 事業場内産業保健スタッフによるケア | 社内のメンタルヘルス対策担当者が、セルフケアおよびラインケアが適切におこなわれるよう支援すること |
| 事業場外資源によるケア | 社外の専門家にメンタルヘルス対策の支援を受けること |
近年、労働人口の減少による人手不足で従業員は過度な業務負担を強いられることが多くなりました。従業員の慢性的なストレスを無視すれば心身の不調の原因となり、病気や長期の欠勤、離職につながる可能性があります。
EAPはストレスチェックやカウンセリング、必要に応じて医療機関の受診を推奨するなど、従業員が抱える不安や悩み、ストレス環境を早期に発見し、改善をサポートする有効な取り組みと言えるでしょう。
金融リテラシーの向上
私たちが生きていくうえでお金は不可欠であり、ワークライフバランスの実現には経済的な安定も重要な要素となります。将来の経済面への不安を取り除き、人生を楽しむための選択ができている状態(ファイナンシャルウェルビーイング)を実感するためにも、従業員に対して金融教育プログラムを提供することは大切です。
ファイナンシャルウェルビーイングは、金融庁が「2023事務年度金融行政方針」の中で言及するなど、国内でも注目されはじめています。
また、金融教育以外のファイナンシャルウェルビーイングへの具体的な施策として、以下のようなものが挙げられます。
- ・財形貯蓄制度
- ・社内預金制度
- ・従業員持株制度・持株会
- ・ストックオプション制度
- ・住宅取得のための融資制度
ワークライフバランスに取り組むためのポイント
ワークライフバランスに取り組むポイントは、以下の4つです。
- ・経営側が率先し全社的に行う
- ・個々の価値観を尊重する
- ・社内の意識改革
- ・施策による効果の可視化
では、これらのポイントについて、詳しく解説します。
経営側が率先し全社的に行う
ワークライフバランスの推進は、全社的に取り組まなければ意味がありません。そのため、経営側自らが率先して、ワークライフバランスの充実を実践することが重要になります。
そうすることで、社員に対してその必要性を行動で示すことができ、さらにワークライフバランスを重視しやすい企業風土の醸成にも繋がります。
経営側が率先して取り組む姿勢を見せ、重要な取り組みであることを理解してもらいましょう
個々の価値観を尊重する
ワークライフバランスがどう在るべきかは、個々の価値観によって異なります。仕事を優先したい人もいれば、プライベートを充実させることで仕事のモチベーションを維持したい人もいるでしょう。
大切なのは、それぞれの価値観やライフスタイルといった違いを尊重し合うことです。
価値観の違いを許容し、尊重し合えるようにするには、ワークライフバランスの捉え方を理解するための研修などを実施するなど、個人の努力のみに頼らず、会社からもサポートを行いましょう。
社内の意識改革
休暇を気兼ねなく取れる、多様な働き方を認め合えるといった環境を実現するには、社内の意識改革が必要です。
例えば、男性の育児休業制度を導入したとしても、誰も利用していない、または利用しにくい雰囲気があれば、活用されずに形だけの制度となってしまうでしょう。
経営側やマネジャー層などが、率先して制度を利用しましょう。そうすることで気兼ねなく利用できる制度であることを周知しましょう。
従業員ワークライフバランスの可視化
ワークライフバランスを推進する際には、施策の狙いを明確にし、実施した施策効果を稼働時間・残業時間・離職率・休暇取得率などの定量的なデータとして可視化して、より良くなるように改善を図ることが大切です。
従業員ワークライフバランスを可視化するには、労務管理ツールを使用すると、以下のように効率的にデータを取得できます。
- ・労働時間の客観的な把握
- ・サービス残業や休日の隠れ仕事を検知
- ・PCログで「いつ、どんな作業をしたか」を可視化
ワークライフバランスを可視化しながら改善していくことで、取り組みによって社内が良い方向へと変化していることが数値として表れるため、全社的な意識改革や協力体制の構築などに繋がるでしょう。
ワークライフバランスの実現に取り組んでいる企業事例
ここまで、ワークライフバランスについて解説してきましたが、実際にどのような取り組みが行われているかを理解するために、4つの企業事例をご紹介します。
育児休業取得の強化|日本郵政グループ
日本郵政グループでは、誰もがいきいきと働けるよう、ワークライフバランスの推進が行われています。
具体的には、男性の育児休業取得率100%を目指し、育児休業の取得期間を最長3年、育児部分休業を最長9年、介護休業を最長1年と設定しています。
早い段階で申請することを促すことで数か月かけて引継ぎをおこなうことができ、「他の社員に業務を任せられない」という不安を払しょくできました。また、一時的でも育児や家事に専念できることで、育休明けも仕事と育児が両立しやすくなるという効果も得られました。
さらに、職場では仕事の属人化が解消できたり、チームで仕事を進める意識が向上するといった効果も得られました。
出典:日本郵政.“働きやすい職場づくり|日本郵政 男性も育休取得率100%へ! 男性育休が本人と職場にもたらすものとは?”.JP CAST.(参照2024-03-27)
https://www.japanpost.jp/sustainability/society/workstyle/
ライフイベントにかかわらずキャリアアップできる制度の導入|株式会社資生堂
資生堂は、「社員一人ひとりがワーク・ライフ・バランスを実現できると、新たに生み出される時間を使い社員が社会でも活躍できる」と考えており、育児や介護などのライフイベントに影響を受けずにキャリアアップできる制度を整えています。
具体的には、
- ・多様な働き方を支えるフレックスタイム制度や在宅勤務(テレワーク)制度などの制度
- ・子育て中の社員へのサポート
- ・介護を行う社員へのサポート
- ・多様な働き方を支えるその他サポート
- ・適切な労働時間の管理
などを実施しています。
例えば、子育てに関するサポートでは男女の育児休暇のみならず、育児期の社員への補助金や、授乳のための福利厚生など、手厚い制度があります。
このような女性活躍支援に取り組んだ結果、日本国内の資生堂グループでは、2022年の育児休業率は女性100%・男性95%となり、育児休業後の復職率は94.9%となりました。
出典:資生堂.“働きがいのある職場の実現”.資生堂.(参照2024-03-27)
https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/labor/working.html
資生堂.“社会データ”.資生堂.(参照2024-03-27)
https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/performance/social/
働き方の多様化・健康推進への取り組み|カルビー株式会社
カルビーでは、「長く働くことが良いことではない。短時間に効率よく働いて、成果を出すこと。」のトップメッセージのもと、ワークライフバランスの推進に取り組んでいます。
具体的には、
- ・在宅勤務の取り組み
- ・年次有給休暇取得促進の取り組み
- ・所定外労働時間の削減
- ・労働組合とのオフサイトミーティング
- ・業務の効率化
- ・ダイバーシティ委員会の設置
- ・タウンホールミーティング
などの取り組みをおこなっています。
これらの取り組みの結果、2023年3月期の男性育児休業率100%・年次有給休暇取得率80.2%・健康診断受診率100%を達成しています。
出典:厚生労働省.“カルビー株式会社”.働き方・休み方改善ポータルサイト.(参照2024-03-27)
https://work-holiday.mhlw.go.jp/detail/0412.html
カルビー株式会社.“多様性を尊重した全員活躍の推進”.カルビー株式会社.(参照2024-03-27)
https://www.calbee.co.jp/sustainability/human-resources/
ワークライフバランスの実現へ向けて
ワークライフバランスの適切な導入は、生産性向上や企業イメージアップ、離職率の低下などにつながり、企業経営の成功のカギを握る要素です。本記事では、従業員一人ひとりに合ったワークライフバランスの実現に向けた、具体的な取り組みについて掘り下げました。
ワークライフバランスを取り入れる目的には、以下の3つがあります。
| 就労による経済的自立 | ・経済的な自立を必要とする人が精力的に働ける社会となること ・経済的に自立できる働き方ができ、希望を実現するために、生活において経済的な基盤が確保できる状態の実現 |
| 健康で豊かな生活のための時間確保 | 以下のような時間を持てるようにし、豊かな生活を送れるようにする ・働く人の健康維持 ・家族などと過ごす時間の確保 ・自己啓発や地域活動への参加のための時間の確保 |
| 多様な働きの選択 | 年齢や性別に関係なく、やる気や能力を持って様々な働き方にチャレンジできる機会が提供されており、個人の状況に合わせて、柔軟な働き方ができる社会の実現 |
ワークライフバランスの推進は単なる福利厚生ではなく、企業戦略の一環として捉えることが重要です。経営層の理解と支援、社内文化の醸成、持続可能な施策の実施により、ワークライフバランスの実現が手の届くものとなります。

