ニューノーマル時代の成長戦略は、データドリブンが大前提
新型コロナウイルスの世界的流行は、私たちの生活やはたらき方を大きく変えた。テレワークが急速に浸透し、ある調査によれば、アフターコロナにおいても、リモートワークの継続を希望する人の割合が6割以上にのぼっている。一方で、Wi-Fiなど通信環境の整備や出社を前提とした業務のデジタル化など課題も浮き彫りになった。ニューノーマル時代において、企業はITのあり方をどのように再構築していくかが大きなファクターになっていると言っても過言ではない。
コロナ禍で企業が早期に業績回復・成長するためのロードマップとして、佐藤氏は「3R Sterategy」を紹介した。喫緊の状況に対処する「Respond」、復活のための計画を立案する「Recover」、ニューノーマルを形成する「Reimagine」の3つのフェーズに分けている。
デジタル化は進展すればするほど、リスクも比例して高まっていく。「Respond」「Recover」のフェーズでは、安心してデータを扱うためのセキュリティとガバナンスをセットで強化することが求められる。さらに、 「Reimagine」のフェーズでは、ニューノーマルに対応した企業文化の変革やバリューチェーンの見直し、どのように新たな価値を創造していくか検討することが求められる。
その中でITにできることは何か。佐藤氏は「いつでも、どこでも、どんなデバイスでも働けるIT環境をお持ちですか?」と投げかけた。オンライン会議ができているだけでは、実は不十分である。すべての業務プロセス、すべての部門において、リモート・オフィスどちらでもはたらくことができる環境や会社支給以外のデバイスでも安心安全に業務ができるIT環境の整備が求められている。
マイクロソフトが実践する「デジタルフィードバックループ」
マイクロソフトのDX戦略は、「デジタルフィードバックループ」という考え方に基づいている。「CRMやERPといった業務システムから生成されるデータをクラウド上のデータ分析基盤に集約します。集約されたデータをAI 技術によって分析し、そこで新しく得た知見を元のシステムに戻したり、他のシステムで再利用したりする。このようなフィードバックループを回すことで継続的に新しい価値を創造しています」(佐藤氏)
