RPAやAIツールを導入する前に必要なのは「整理」
DX推進で陥りがちな落とし穴はDXを難しくとらえてしまうことだ。
「DXとは自身の業務・組織・会社・ビジネスを“どうしたらより良くできるか”と考えるものです。概念やツールにとらわれるのではなく、一歩目として現状や業務の“整理”が大切です」(鴨下)
しかし、どこからどう着手したら良いのか、頭を悩ませる企業は多い。鴨下は、DX推進のステップを解説した。
まずは現状がどうなっているのか調査分析を実施する。次に、整理できた現状をもとに、目的・ゴール・方針を設定する。そして、ゴールを達成するための具体的なアクションを計画・実行する。実行して終わりではなく、現状の評価・振り返りを行い、必要があれば整理をするという循環のステップがDXの基本である。
300社を超える企業のRPA導入の支援をしてきたという小野田は「RPAを入れたいといったアクションからご相談をいただくケースが非常に多いです。ただ、業務についてヒアリングさせていただくと、“そもそも必要な業務なのか”“業務フロー自体に課題がある”といったように、アクションの手前に解決のポイントが見つかるケースも多いです」という。新しいツールに関する情報等、アクションに関する情報が溢れているため、アクションに注目が行きがちだが、まずは現状を“整理”することが重要である。