激変するIT人材マーケットで勝ち残るためのNTTデータの採用戦略・プロセス変革

人材派遣・採用支援 IT・通信・ソフトウェア 5,001名~

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

情報技術を生かしたシステム構築事業などを主力にするNTTグループのシステムインテグレーター。1988年の設立時から『情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する。』という企業思念のもと、公共・社会基盤、金融、企業向けソリューションなど日常生活を支えるインフラを構築してきた。2005年からは海外事業を拡大し、現在は世界53の国と地域にて事業展開をおこなっているグローバル企業でもある。グループビジョン「Trusted Global Innovator」を掲げ、デジタル活用による新たな市場創出、質の高いサービス提供や技術革新によるお客さまの事業成長や、世界中の社会課題の解決に貢献し、社会に変革のうねりを起こす存在となることを目指している。

ビジネス環境の変化に対応し、デジタル・グローバルの強みを前面に出して戦える組織を目指す

エヌ・ティ・ティ・データ(以下、NTTデータ)は、顧客の業務を熟知し、徹底した顧客志向で社会に貢献する「信頼」を強みとする企業。2017年には、2025年頃までにIT業界において世界トップ5となることを掲げる計画「Global 3rd Stage」を発表。これは同社がグローバルな社会においても「信頼」される会社となる、という宣言である。2019年〜2021年の中期経営計画では、「Global 3rd Stage」に向けた重要な3年と位置付けられ「変わらぬ信念、変える勇気によってグローバルで質の伴った成長」を掲げている。顧客とともに未来の社会を創るというこれまでの信念はそのままに、デジタルトランスフォーメションの加速とグローバルシナジーの強化という変化による、提供価値の最大化を目指すとしている。

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
採用担当 課長
頓所 孝之 氏

創業以来、30年以上に亘り成長をし続ける同社のビジネスモデルは、従来のお客様の課題解決する「改善型」に主軸を置きながらも、お客様の課題を見つけて共に事業を創り出す「創発型」にシフトしているという。また昨今のIT人材不足への対応をすべく、2018年から採用のあり方を刷新した。

中途採用と、新卒採用に関する新しい取り組みを担当した人事本部 人事統括部 の採用担当課長 頓所氏は「これまでのシステム開発というのは、お客様の事業があって、それを効率化するようなIT化提案が主でした。もちろん、こういったトラディショナルな業務は引き続き重要なのですが、これからは、お客様の現在の事業を必ずしも是とせず、一緒にビジネスを開発していくような業務にシフトしていくことが重要です。私自身、元々は、医療領域のビジネスを進めていたのですが、お客様先に2〜3か月常駐し、事業やシステム化の提案をするコンサルティング業務も行っていました」と語る。

決まったことを着実にこなすだけでなく、顧客と一緒に考えていく人材を獲得するのが、現在の人事本部に課せられたミッションである。同社の採用はこれまで新卒が中心で年間400名〜500名に対し、中途採用は年間10名〜20名程度と少数であったという。「新卒を育成することも大事ですが、育成には時間がかかりますし、育成したとしても、やはり離職はあります。そこで、このようなビジネスを担える人材の獲得を目指して中途採用の強化に乗り出し、さまざまなエージェントさんに相談しました。そのなかでもスピーディーに具体的な体制を整えられる提案をされたのがパーソルグループでした」と頓所氏。

採用要件定義・採用プロセスなど根幹からの見直しで中途採用数10倍を実現

中途採用の知見が少ない同社の相談を受け、2018年3月からパーソルグループは採用支援活動を展開。中途採用においては、まずは現状分析をおこなうため、パーソルグループが持つ業界情報や他社情報とのデータ比較と、社内でのヒアリングを実施した。選考期間に90日を要し他社の2倍もかけていることや、複雑な採用プロセス、採用要件定義の粗さなどの課題が浮き彫りになった。頓所氏は「当社の特性として、事業部がそれぞれの単位で仕事をしており、事業部によってビジネス特性も文化も採用熱度も異なります。各現場でどんな声が挙がっているのかはバラバラで、人事本部も全てを捉えきるのに苦労していました。そんな中で、パーソルには客観的な視点で、社員の率直な意見を集めて分析してもらい、改善すべき点の洗い出とそれを解決する改善提案をいただきました」と当時を振り返る。

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
採用担当 課長代理
安東 沙織 氏

2018年7月からは、選考プロセスの早期化、分野人事・事業部の意向把握、エージェントとの連携の強化に努めた。とはいえ大きな組織であるがゆえに、採用プロセスの変革には工夫が必要であったと頓所氏は語る。「まずはイノベーターであり、かつ熱度の高い事業部から施策を実施しました。新しい取り組みが良いものだと示せれば、他の事業部も参画してくれると感じていましたので、まずは実績をつくることを目的としました。選考プロセス面では、採用までの期間が長いと、先に他社から採用されてしまいます。パーソルの提案に沿って、面接の回数を減らすなどして選考日数を98日から約半分に短縮できました。こうしてうまくいった実績を、各事業部の人事担当に共有していきました」と説明。

新しい採用プロセスにより、それまで年間10〜20名だった中途採用は、2018年には100名となり、2019年は200名を超える見込みだという。人材の内訳としては、従来型の業務に携わる人が7割、先進的な領域を担う人が2〜3割だ。大量に即戦力を採用し、かつ先進的な領域の人材も多いのは、各事業部の「変える勇気」が表れた結果といえる。

また、各事業部の意向に沿った人物の採用も課題とされていたが、頓所氏は「直近で入社した方約120名に調査をしたが、受け入れた組織も入社した本人も、期待以上の成果を上げていたり、仕事が充実していたり、という回答が半数以上でした。現時点でまだ改善の見込みがある回答の場合でも、同時に今後に期待するという意見も非常に多く、概ね良い人材の採用ができていると思っています。入社後のオンボーディングには今後さらに力を入れていかなければなりません。受入れの体制は全社、現場の双方が協力して強化をしています」と調査結果についての感想を述べる。

エージェントとの連携強化については、定例ミーティングですりあわせすることで改善されているという。安東氏は「各社ともに紹介数や採用数などの具体的な数値を示し、状況を確認するとともに、採用/不採用になった理由も共有するようにしています。エージェント側も弊社のほしい人材像への理解が深まり、採用率が高まってきました」と話す。

「採用はマーケティング」
Marketoによる学生一人ひとりにパーソナライズしたコミュニケーションを推進

今回同社では、中途採用の改善だけでなく、マーケティングオートメーションの仕組みであるMarketoを新卒採用に導入している。新卒採用は、毎年数千名の応募があり、最終的に理系・文系関係なく400〜500名を採用している。Marketoを導入した理由を頓所氏は次のように語る。「従来は新卒応募者に対して画一的な情報発信しかできていませんでした。例えば、メッセージなどは一括送信していましたので、理系の院生にも、文系の学部生にこそ響くようなメッセージが届くということもありました。新卒採用はマーケティングと似ている側面があり、応募者それぞれに合ったメッセージや情報の発信が重要です。そこで、マーケティングツールを利用した運用・管理が効果的と考え、Marketoを導入することにしました」。

Marketoを使うことで学生の学部・学科、持っている情報量などに応じてセグメントし、メッセージを送信できるようになった。メッセージの開封率も確認できるため、課題が明確になり、どのようなメッセージを送るべきか検討しやすくなったという。こうした取り組みの結果、2018年には430名を採用し、2019年には450〜470名の採用を予定している。

「Marketoは機能が多いですが、昨年はまだ導入初期なので基本的な機能しか使っていませんでした。今後は、学部・学科だけでなく、スキルや海外経験の有無、論文のテーマ、興味分野などを細かくセグメント分けして、よりパーソナライズしたメッセージを出していきたいです。そのうえで、ひとり一人のスコア別のアプローチにつなげるなど活用をしたいと思っています」と頓所氏。

社内人材にフォーカスしたサイトを開設し、事業領域や企業風土の理解の向上を目指す“採用ブランディング”を展開

パーソルグループの支援により採用活動を刷新したNTTデータ。現在の課題について頓所氏は、「当社にはお客様に深く関わって業務のコンサルティングをする仕事も実は非常に多くありますが、あまり認知度が高くないのが現状です。そういった仕事を志向する人にとって、当社は選択肢に入りづらい状況です」と話す。続けて安東氏は、「先端技術に興味を持つ人は、ベンチャー企業を目指す傾向にありますが、当社でも希少な技術力を持った優秀な人がたくさんいます。今後は既存の人材の認知度も高めていきたいです」と、同社のブランディング向上への思いを語る。

同社のブランディング向上に向けて、現在はパーソルの提案のもと採用サイト*1のリニューアルを進めている。頓所氏は「従来のような採用サイトではなく、社内の人材をアピールするためのWebサイトの提案をいただきました。サイトのリニューアルが大事であると感じていたものの、漠然としたイメージしかありませんでしたので、パーソルから『社内の優秀な人材にフォーカスすれば、興味を持つ人を惹きつけられます』と言われて納得しました」と語る。安東氏も「NTTデータの事業をアピールするよりは『こんな優秀な人と仕事がしたい』と思って応募してくださる方のほうが熱意も高いと思います。また、サイトで紹介することを社員にとってのステータスとなるようにし、モチベーション向上にもつなげたいです」と話す。

パーソルへの評価について安東氏は、「当社の採用チームは常に新鮮な視点で活動を行うために人材の流動性を高めています。その中で、スキルや情報が属人化しないようにすることは非常に重要です。パーソルはじめ様々なエージェントさんが保有する人材紹介の基礎知識や知見を参考にしながら、スキルやノウハウをチームとして共有・継承できるような仕掛けづくり、定着できる体制を整えてこられたと思います」。

最後に頓所氏は今後の展望について次のように語った。「パーソルは、人材領域における豊富な実績とMarketo活用など新しい知見も有するグループ体制である点がとても頼もしく思っています。グループ内のハブになる担当の方がいてくれるおかげで、人材に関することならなんでも相談でき、すぐに適切な担当者が動いてくれるからです。また、各部門でパーソルのさまざまな担当者とやりとりが行われていますので、弊社に対する知見も蓄積されており、採用のマッチ度を高め、各種施策の運用においても質を高めていただけると期待しています」。

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