2024年12月10日
2025年05月30日
新規事業を立ち上げる際に、事業を企画したり推進したりする人材が社内におらず、採用を検討している方もいるのではないでしょうか。
新規事業の立ち上げにおいて重要な役割を果たす職種が「BizDev(Business Development/ビジネスデベロップメント)」です。BizDevは昨今注目が集まっている職種ですが、具体的にどのようなスキルが求められるのか、どのようなミッションを持つのかが分からない方もいるでしょう。
本記事では、BizDevの定義や注目が集まる背景、業務内容などについて解説します。併せて採用手法や採用のポイントも解説しているので、これからBizDevの採用をしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
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マーケットの成熟やビジネスの多様化に伴い、既存事業のみに頼っていては企業の持続的な発展が厳しい時代となりました。 そこで狙うは新規事業の立ち上げですが、新規事業立ち上げに積極的に取り組んでいる企業は約半数、そのうち軌道に乗せられた企業は1割程度という結果があり、一歩を踏み出すことも成功させることも難しいのが現実です。
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BizDev(ビズデブ)とはBusiness Developmentの略称で、新規事業を一から作り出したり、既存事業の領域を広げたりする職種を指します。外資系企業やスタートアップ企業、ベンチャー企業などで設けられていることが多いポジションですが、近年では日系の大手企業でも採用が進んでいます。
BizDevのミッションは、新規事業・既存事業いずれに携わる場合でも、その事業に新たな価値を創出し、企業の売上拡大につなげることです。
BizDevと混同してしまいやすい、営業やPdMとの違いを解説します。
営業はBizDevのように事業の企画段階から携わるのではなく、事業の軸や顧客に提供するものが決まっている状態から、製品やサービスの価値を顧客に伝える手法を考え、実践に移す役割を担う職種です。営業は既存の価値を最大化させる「1→10」の考え方が重要視されるのに対し、BizDevは「0→1」を生むことが求められる点も異なります。
PdMはプロダクトマネージャーのことで、担当する製品やサービスの開発から販売までの戦略を統括する職種です。PdMは製品やサービス作りをリードする立場であり、BizDevは事業そのものをリードする立場である点が異なります。またPdMは、製品やサービスの開発に携わるため、テクノロジーやデザインの知識が求められる点もBizDevとは異なります。
BizDevに似ている「事業開発」「事業企画」「新規事業担当者」などの職種は10年以上前から存在していましたが、注目されるようになったのは最近のことです。
BizDevに注目が集まっている背景には、さまざまな市場に製品やサービスが溢れ、飽和状態になってきていることが挙げられます。市場が成熟すると、製品やサービスを追加投入しても成果に結び付きません。そこで新たな市場を生み出す立場であるBizDevが求められるようになってきたのです。
また製品やサービスの浸透スピードが早まった結果、事業のライフサイクルが短くなってきていることも、BizDevが注目される理由の一つです。企業を存続させるには、単に既存の事業を伸ばすだけではなく、新たな顧客の開発や、複雑な課題の解決につながる事業の開発が求められるため、BizDevが必要とされます。
加えてインターネットが発達し、企業間の情報格差も少なくなってきています。そのため、どの業界の企業でも情報を簡単に手に入れられるようになり、他業界に参入することが容易になりました。あらゆる企業で新規事業の立ち上げニーズが増え、事業立ち上げのスキルを持った人材の採用が進み始めたのです。

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前述の通り、BizDevは新規事業を一から作り出したり、既存事業の領域を広げたりする役割を担う職種です。具体的には以下のような業務が挙げられます。
このようにBizDevが行うべきことは多岐にわたります。
BizDevは幅広い業務を遂行することが求められる職種であり、求められるスキルもさまざまです。ここからは、BizDevに求められるスキルを解説します。
まず重要なのが、経営者の目線で事業を推進するスキルです。新規事業を成功させるには、長期的な視点を持ち、先々まで考えた新規事業の計画を行う能力が求められます。またBizDevは、自社の財務状況を把握した上でかけられるコストを算出し、最低限の投資で最大限の成果を生み出す手法を考えなくてはなりません。そのため経営者の目線で、貸借対照表や損益計算書をチェックしながら事業計画を立てるスキルも必要です。
BizDevには、事業における課題を発見し、解決に導く能力も求められます。BizDevの存在意義は、顧客にとっての新たな価値を創出する事業を生み出すことであり、ただ新規事業を企画するだけではなく、顧客の課題が何かを特定し、その課題を解決できるような事業を展開する必要があります。
また事業が伸び悩んでいるときにも、BizDevは伸び悩みの原因が何かを考え、解決に向けて動き出さなければなりません。事業を推進するに当たっても、課題発見・解決力が求められます。
マーケティング力も、BizDevに求められるスキルの一つです。顧客へ新たな価値を届けるためには、市場や顧客のニーズを理解した上で、商品やサービスをどう広めるのかを考え、実行に移す力が必要とされるからです。
市場調査・分析のスキルもマーケティングに関するスキルに含まれます。BizDevには、市場調査によって得られたデータの中から、新規事業立ち上げの糸口となり得るデータを探す能力が求められます。
BizDevには営業スキルも求められます。ここでいう営業スキルとは、いくつかの意味合いを持ちます。具体的には、自身で直接顧客接点を持ち、VOC(顧客の声)を収集しながら折衝を行う力、収集したVOCをプロダクト、チーム内に共有/反映させていく力、そして企業内外のステークホルダーと関係性を築き、説得力を持って周囲を巻き込みながら事業を前に進めていく能力も求められるでしょう。
BizDevは企業内外のさまざまなステークホルダーと協力して事業を進める必要があるため、コミュニケーションスキルは必須です。立場や年齢に関係なく話せる力や、会議の場で自分の意見をしっかりと述べる力、周りの意見を聞き、まとめる力が必要とされます。
特に新規事業の立ち上げでは、社員やメンバーに事業の内容を理解してもらい、協力を要請することが重要です。そこで、コミュニケーションを通じて新規事業の企画意図や方向性を伝えるスキルが求められます。
BizDevには、強靭なマインドも必須です。新規事業の場合は特に0から1を生み出すことが求められ、新しい製品やサービスを企画し開発するには相当な体力が必要です。
また、新規事業が目に見える成果を創出するにはある程度の時間がかかる上に、失敗してしまう可能性も高いとされています。そこで成果の状況に左右されずにモチベーションを保ち続ける精神力や、失敗しても前に進められる行動力が求められます。
前述のコミュニケーション力にも関連しますが、ステークホルダーを巻き込むには、新規事業への強い思いを伝えることが重要です。コミュニケーションをとる上でも、強いマインドが求められます。
ここまでで紹介してきたようなBizDevの業務を任せられる人材や、必要なスキルを携えた人材はどのように採用すればよいのでしょうか。
ここからは、いくつか考えられるBizDevの採用手法のうち3つを解説します。
1つ目の手法は人材紹介です。人材紹介とは、人材紹介会社から自社が希望する条件にマッチする求職者を紹介してもらう手法です。人材紹介会社には、さまざまな業種・職種を扱う総合型と、特定の業種・職種に強みを持つブティック型があります。
人材紹介のメリットは、求職者を探す工程に工数があまりかからないことです。要件を人材紹介会社に伝えることで、求める人材に効率よく出会えるでしょう。前述の通りBizDevは企業によってその定義がさまざまなため、人材紹介会社を介して自社が求めるBizDev像を明確に求職者に伝えてもらうことが重要です。
加えて初期費用がかからない成果報酬型のサービスを展開する企業が多いため、採用に至るまで費用が不要な点もメリットの一つです。
ただし、初期費用が不要な代わりに、採用に至った場合は他の手法に比べて高い手数料が発生します。手数料率の設定は人材紹介会社によって異なりますが、採用する人の想定年収の35%前後をコンサルティングフィーとして設定している企業が多いようです。
2つ目の手法は求人広告です。求人広告とは、転職サイトに求人情報を掲載し、求職者からのエントリーを募る手法です。求人広告も人材紹介会社と同様、総合型もあれば、ブティック型もあります。
求人広告のメリットは、比較的多くの求職者が登録しているサイトに掲載すれば、母集団を形成しやすくなることです。またBizDevの採用では、BizDevの経験者のみならず、コンサルティング職経験者やマーケティング職経験者など、幅広い人材をターゲットに設定することもあるでしょう。その場合、さまざまな層が集っている求人広告に掲載すれば、多くの求職者に出会いやすくなります。
デメリットとしては、採用に至らなくてもサイトへの掲載費用が発生することや、不特定多数からの応募が可能なため、自社が求める人材とは異なる層からの応募が多くなる可能性があることが挙げられます。
3つ目は、フリーランスや副業人材といった、要件に合う外部人材を活用する手法です。
外部人材を活用するメリットには、高いスキルを持つ人材を、金銭面の負担を抑えて迎え入れられることが挙げられます。
特にBizDevの採用では、新規事業を立ち上げて軌道に乗せた経験など、高度な実績を求めることもあるでしょう。そのような経験を持つ人材を正社員で探して見つけたとしても、希望年収が自社の水準よりも高い場合があり、想定よりもコストが膨らんでしまうかもしれません。一方、外部人材を活用すれば、必要なタイミングだけ契約できるため、コストを抑えつつ経験豊富な人材を活用できます。
外部人材を活用するデメリットは、社内にノウハウが蓄積されないことです。また他社に情報が漏れてしまう危険性にも注意が必要です。
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BizDevの採用でお困りの方や外部人材活用にご関心をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。
最後に、BizDevを採用するポイントを2点解説します。
1つ目のポイントは、採用要件の定め方です。新規事業におけるBizDevの採用といっても、新規事業の進行度合いによって求めるスキルは異なります。
新規事業を企画する前段階であれば、事業企画ができる人材や戦略設計が得意な人材がターゲットとなるでしょう。BizDevの経験者以外であれば、コンサルティング会社の出身者がターゲットとして考えられます。
新規事業の企画はある程度固まっており、事業を推進する段階であれば、マーケティング経験のある人材やチームビルディングの経験がある人材がターゲットとなるでしょう。
このように採用要件は事業の進捗によって変わるため、まずは事業のフェーズを分析して採用要件を固め、ターゲットに響く求人票を作り上げることが重要です。抽象的な要件にならないよう、具体的に「○○の経験のある人は、△△の業務で活躍でき、将来は□□のようになれる」というストーリーを伝えましょう。
2つ目のポイントは、求人票の書き方です。前述の通りBizDevの定義は企業によって異なるため、自社におけるBizDevとはどのような職種なのかを詳細に定義する必要があります。また採用する人材が具体的にどのような業務をすることになるのかも併せて記載しましょう。
「BizDevが携わる事業が今どのような状況なのか」「事業を開発するに当たり何をしなければならない状況なのか」「そこで採用する人材にはどのような業務をしてもらう必要があるのか」が伝わるように書きましょう。また自社における事業立ち上げの流れも記載しておくことで、求職者はBizDevとしてどのように業務を進行するのかイメージしやすくなります。
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BizDevは近年注目が集まっている、新規事業の立ち上げや既存事業の領域拡大を行う際に必要な職種です。今後も市場や顧客のニーズは移り変わることが予想され、BizDevのニーズはますます高まっていくでしょう。
BizDevはビジネスに関するさまざまなスキルが求められる立場であり、さらに企業によってその定義は異なるため、募集の際は採用要件を明確にし、ターゲットに響く求人票となるよう工夫して作成する必要があります。
BizDevを採用するには、人材紹介や求人広告、外部人材活用などの手法があります。ターゲットによってとるべき手法は異なるため、まずは採用要件を定めた上で、どの手法が適しているのか考えましょう。

パーソルキャリア株式会社
新規サービス開発統括部 マネージャー
白石 浩二
複数社での新規事業立ち上げ経験を経て、2022年にパーソルキャリア株式会社に入社。新規事業におけるBizDev責任者/事業責任者を歴任。現在は社内の複数の新規事業を横断的に支援する組織を率いると共に、新規事業創出プログラム『OWNERS』の設計/運営も務める。新規事業家として、起業や、様々な企業でアドバイザーも務めるパラレルワーカー。