2024年03月29日
2025年10月16日
近年、業務効率化やアイデア創出の手段として、ChatGPTの活用が急速に普及しています。文章作成や翻訳、データ分析、企画立案からSNS投稿の作成まで、多岐にわたる業務で導入が進んでおり、企業規模や業種を問わず、そのメリットが広がっています。
しかし、ChatGPTなどの生成AIの導入を検討している企業にとっては、「どの業務で、どのように活用できるのか」が分からず、導入に踏み切れないケースも少なくありません。
本記事では、パーソルグループが提供する〈Reskilling Camp〉が行った調査結果をもとに、生成AIの活用状況の実態を紹介。さらに、ChatGPTの具体的な活用事例や注意点もわかりやすく解説します。
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目次
ChatGPTとは、膨大な学習データをもとに回答を生成する「大規模言語モデル」を搭載した、対話型の生成AIです。検索エンジンや従来のチャットボットと異なり、自然言語処理(NLP)の技術をもとに人間の言葉を理解し、文章の生成や要約、翻訳、質問への回答など幅広いタスクに対応できます。
ChatGPTが得意とする主な作業領域は以下の通りです。
ChatGPT は2022年11月にアメリカのOpenAI社から公開され、2025年8月には最新モデルの「GPT-5」がリリースされました。GPT-5では、高度な推論と高精度な自然言語応答ができ、指示された複数のタスクを正確に実行するようバージョンアップされています。ただし、ChatGPTの利用は、人間による確認と修正が必要な場合もあるため、現時点では完全無欠とは言い切れません。
しかし、現在はビジネス分野でも急速に導入が進んでおり、文章作成やデータ分析、企画立案のサポートなど、業務効率化や生産性向上に直結する「ChatGPT活用」の事例が数多く生まれています。また、専用アプリやAPIを通じて既存のシステムに組み込むことも可能であり、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する基盤としても注目されています。
パーソルグループが提供する〈Reskilling Camp〉は、2023年5月に全国の企業を対象に、ChatGPTをはじめとする生成AIの活用状況に関する調査を行いました。
調査の結果、「専門部署の設置などAIを導入し本格的に活用している」企業が11.5%、「AIを導入し試験的に活用している」企業が23.5%という回答が得られ、両者を合わせると全体の35.0%が業務でChatGPTなどのAIを活用していることが分かります。
また、16.5%の企業が、「AIの導入を準備・検討している」と回答しており、合計すると半数以上(51.5%)の企業が、生成AIの活用を積極的に進めているか、導入を視野に入れている状況です。これは、ChatGPTの活用が企業の業務プロセスやDX推進の一部として定着しつつあることを示しています。
企業の規模別で見ると、大企業、または大企業のグループ会社の25.5%は、専門部署の設置などAIを導入して本格的に活用しています。AIを導入し試験的に活用している企業(28.3%)と合わせると、半数以上(53.8%)の企業が業務でAIを活用しているという結果が、出ました。またAIの導入を準備・検討している企業は15.9%にのぼっています。
一方、中小企業・スタートアップ企業でAIを本格的に活用しているのは2.4%、試験的に活用しているのは20.2%で、合計しても22.6%と2割強といったところです。中小企業・スタートアップ企業は大企業、グループ企業の活用状況と比較すると、半数以下であることが分かります。
最先端のAI技術が凝縮されたChatGPTは、大企業の課題である業務改善や労働移動の支えになっていると言っても過言ではありません。ChatGPTの積極的な導入が、社員(従業員)の生産性向上と業務プロセスの改善、高度な業務へのシフトやビジネスアイデア創出に生かされています。また、部門に関係なく全社的な導入を進める企業も珍しくありません。
新たにOpenAI社よりデータの安全性を高めた大企業向けサービスが提供開始されたため、今後は大企業を皮切りにChatGPTの導入が、さらに加速すると見込まれます。
業種別で見ると、AIの活用率が最も高いのは、製造業であるという結果が出ました。AIを導入し本格的に活用しているのが10.6%、またAIを試験的に活用している企業が34.0%あり、合計すると製造業の企業のうち44.6%が、業務でAI(ChatGPT等)を活用しています。次に活用度が高いのは、通信情報サービス業です。AIを導入し、本格的に活用しているのは製造業とほぼ同率10.3%です。それに対し、AIを試験的に活用していると答えたのは17.4%と激減しています。製造業と活用度を比較すると、通信情報サービス業の活用度は、ほぼ半数であると分かりました。
製造業では約半数の44.6%が、AI(ChatGPT等)の本格的な活用・試験活用をしています。主に、需要予測、作業の自動化や不良品の選別などで使用されており、AI(ChatGPT等)導入による変革が、進んでいると言い換えることができます。
企業におけるChatGPTをはじめとしたAIの活用は、特定の部署に偏らず幅広い職務・業務に広がりを見せています。AIを活用している職務や業務に関する調査では次のような結果が得られました。
AI(ChatGPTなど)を活用している職務は、情報システム・IT部門(41.0%)が最多で、続いて経営企画(34.9%)、人事(32.4%)、経営者・経営幹部(24.8%)と経営判断や人材戦略の領域でも導入が拡大しています。
その他、マーケティング(13.8%)、事務企画(13.5%)、営業企画(12.2%)、技術・研究(12.2%)、財務経理(11.3%)、営業・販売(11.0%)、商品開発(8.6%)、製造(7.6%)、CS(7.0%)といった現場業務でもAIが幅広い職務で活用されているのが分かります。
「どのような業務シーンでの活用を行っている、または準備・検討をしていますか」の問いに対しては、次の通りです。
データの分析(35.2%)が最も多く、情報の検索(33.9%)、文章の要約・構成(31.5%)と続きます。この他にも、問い合わせやメール文面の作成(30.0%)、コピーライティングや文章作成(26.0%)、翻訳(24.5%)、議事録・アジェンダの作成(22.0%)と続き、文書作成業務が多い傾向があります。また、既存の業務の自動化(30.3%)や、コードの作成・レビュー(29.7%)といった業務に活用されていると分かりました。これらの結果より、従来は工数を掛けて対応していた業務の一部をAIの活用によって効率化が実現していると読み解くことができます。
ここまで、ChatGPTなどの生成AIの活用状況に関する調査結果を紹介してきました。では、実際の業務においては、どのような場面で成果が得られるのでしょうか。
ChatGPTは、文章作成やデータ分析、企画立案などを効率化し、多くの企業の業務効率化に寄与しています。
ここでは、ChatGPTをどのように仕事に活かせるか、具体的な活用事例を20パターンご紹介します。
ChatGPTは、ブログ記事やコラム、プレスリリース、広告文など多様な文章を短時間で作成できます。既存の文章を校正・推敲し、文法ミスを修正したり、より自然で読みやすい表現に改善したりすることも可能です。これにより、ライティングや編集業務の作業効率を高め、文章品質の安定化に役立ちます。
ChatGPTは多言語に対応した翻訳ツールとしても利用可能です。英語、中国語、韓国語をはじめとした多言語の翻訳をサポートします。直訳ではなく文脈に応じた自然な表現を提示できるため、海外向けビジネスメールや資料の理解に役立ちます。
ただし、専門分野や細かいニュアンスを完全に再現するには、専門翻訳と併用するのが望ましいでしょう。
自然言語の翻訳に加えて、ChatGPTはプログラミング言語間のコード変換をサポートできます。たとえばPythonコードをJavaに書き換えるサンプルを提示させるといった使い方が可能です。
ただし、複雑な処理やフレームワーク依存のコードでは、完全な変換が難しいため、あくまで補助的な利用が適しています。
自社の課題に応じた質問を入力することで、市場動向や競合分析に役立つ情報を引き出せます。最新データの取得には外部の検索ツールや調査レポートと併用する必要がありますが、リサーチの効率化や仮説検証のスピードアップに有効です。
プログラミング初心者でも、自然言語で指示するだけで適切なコードを生成してくれます。特定の機能を実装するためのコードスニペットや、簡単なプログラム全体を生成することも可能で、プログラミング初心者の学習支援から、開発者の作業効率化まで幅広く活用できます。
ChatGPTは、プログラマーが書いたコードのデバッグやレビューも行えます。エラーメッセージの意味や修正方法も解説してくれるため、学習しながら改善できるのがメリットです。バグの原因を特定したり、コードの改善案を提案したりすることで、開発効率を向上させ、より質の高いソフトウェアを開発するのに役立ちます。
ChatGPTでは、文章だけでなくテキストの指示に基づいて画像を生成できます。商品イメージや広告バナーなど、デザインの初稿づくりに時間をかけずに済むのがメリットです。イラストや図解を迅速にアウトプットできるため、プレゼン資料やSNS投稿用の画像、商品デザインのアイデア出しなど、さまざまな場面で活用できます。
ChatGPT単体では動画の生成はできませんが、OpenAIが提供する動画生成モデル「Sora」と組み合わせることで、テキストから直接高品質な動画を生成することが可能です。企業のプロモーション動画やSNS向けの短い動画コンテンツなどをスピーディーに作れるため、従来は時間やコストがかかっていた制作工程を大幅に効率化できます。
ChatGPTは、X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなど、各プラットフォームに合わせた投稿のアイデア出しから文章作成までを自動で作成できます。ターゲット層に響くようなキャッチーな文章を複数パターン提案してくれるため、SNSマーケティングを効率的に行えます。
運用担当者が複数のアカウントを抱えている場合でも、作業時間を大幅に削減でき、キャンペーンや季節イベントに合わせたクリエイティブな投稿作成にも活躍します。
ChatGPTは業務手順を整理し、分かりやすいマニュアル文書を効率的に作成可能です。作業内容を入力するだけで、誰にでも分かりやすいステップバイステップのマニュアルにまとめることができ、マニュアル更新の頻度が高い業務においても、変更点を反映した最新版を素早く生成できます。属人化しがちなノウハウを共有しやすくなる点も大きなメリットです。
企画の概要を伝えるだけで、企画書の構成案やプレゼン資料の台本を生成します。資料の見出しや章立てに加え、説得力を高める表現や比較ポイントの提示も行ってくれるため、アイデア段階から完成形への移行がスムーズです。資料作成にかかる時間を短縮しつつ、質の高いアウトプットが得られます。
ChatGPTは顧客から寄せられる質問を予測し、その回答を事前に用意することで、FAQ(よくある質問と回答)ページを効率的に作成できます。カスタマーサポートの履歴を学習させれば、実際の問い合わせ内容に沿ったリアルなFAQを構築できます。
自社の商品やサービスの特徴を伝えるだけで、商品やサービスの特徴を簡潔かつ魅力的に表現する説明文を作成できます。ターゲットごとに異なる切り口で説明文を作り分けることができ、たとえば、消費者向けには親しみやすい表現を、法人向けには専門性の高い文章を生成可能です。マーケティング資料やECサイトの商品ページの作成業務を効率化できます。
ChatGPTは複雑なデータの数値処理自体を行うわけではありませんが、分析結果の解釈やグラフ化のアイデアを提示するのに役立ちます。数値データを解釈して「どのような意味を持つのか」を説明できるのが特徴です。作業者に専門的な統計知識がなくても、分析結果を理解しやすく言語化するため、迅速な意思決定を支援します。
ChatGPTは与えられた情報を整理し、論理的な構成でレポートを生成できます。会議の議事録やプロジェクトの進捗報告など、各種レポートを要約・整理し、分かりやすい形式にまとめてくれます。時間のかかるレポート作成業務を効率化し、担当者の負担を軽減できます。
ChatGPTは学習教材の作成や、個別指導的なトレーニングにも活用可能です。新入社員向けに業務の基礎知識を教えたり、特定のスキルに関するクイズや学習コンテンツを作成したりと、実務に直結する教育内容を提供できます。OJTや研修の補助教材としても効果的です。
ChatGPTは経営戦略やマーケティング戦略のたたき台をスピーディーに生成します。複数の視点からメリット・デメリットを整理し、意思決定をサポートするのが強みです。抽象的なアイデアを具体化してくれるため、議論の土台を整えるのに役立ちます。
ChatGPTは顧客からのメール内容を理解し、適切な返信文を自動生成できます。トーンやフォーマットを調整することで、ビジネスメールにも柔軟に対応可能です。問い合わせ対応の初期段階を自動化することで、担当者はより複雑な業務に集中でき、顧客対応のスピード向上にもつながります。
ChatGPTは直接カレンダーを操作することはできませんが、会議の日程候補を整理したり、タスクの優先順位付けを提案したりするなど、計画立案のアシスタントとして活用できます。外部のカレンダーツールと組み合わせることで、さらに利便性が高まります。
ChatGPTは採用候補者に関する情報を整理し、リファレンスチェック(第三者への経歴照会)を行う際の質問リストを生成できます。評価基準を明確化するため、チェック漏れの防止が可能です。人事担当者の判断をサポートし、採用プロセスの効率化を促進します。
ChatGPTは業務効率化やアイデア出しのアシスタントとして寄与しますが、活用する際にはいくつかの注意点があります。これらを理解した上で運用することが、安全かつ効果的な運用のためには、これらの注意点をあらかじめ理解しておくことが重要です。
ChatGPTは、あらゆるユーザーから入力された情報を学習し、その膨大なデータをもとに回答を生成します。そのため、顧客情報や社内機密、戦略データなどを直接入力すると、意図せず情報が外部に漏れるリスクがあります。業務で利用する際は、機密情報や個人情報を含む内容は極力避け、匿名化や仮名化を行うなどの運用ルールを設けることが対策になります。
ChatGPTは膨大な学習データをもとに応答を生成しますが、まれに事実とは異なる内容や誤情報を生成する「ハルシネーション」が発生することがあります。特に市場データや法律・会計情報など正確性が求められる分野では、生成結果をそのまま鵜呑みにせず、必ず確認・検証を行いましょう。外部資料や社内データと照合するプロセスを組み込むことで、誤情報を記載するリスクを低減できます。
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ChatGPTの出力品質は、入力するプロンプトの内容に大きく依存します。指示が曖昧であったり情報が不足したりしていると、期待した結果が得られない場合があります。一方で、具体的で詳細な指示を与えると、より精度の高い応答を引き出せます。そのため、社内での利用ガイドラインとして「どのような形式・粒度で入力するか」を統一すると、業務での活用精度が安定します。
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ChatGPTは文章作成や翻訳、データ分析、コード生成、動画・画像制作など、多岐にわたる業務で活用できるツールです。企業規模や業種によって導入状況には差がありますが、情報システム部門や経営企画、マーケティング部門を中心に、業務効率化や意思決定の迅速化に役立てられています。導入を検討している企業においては、ChatGPTを活用することで、従来手間のかかっていた作業を短時間で行えるほか、新しいアイデア創出や社内教育にも応用できるでしょう。
一方で、安全かつ効果的に利用するためには、社内ルールの整備や結果の検証、プロンプト設計の工夫が欠かせません。機密情報の取り扱いや誤情報の発生、プロンプト次第で出力品質が変わるなど、運用上のリスクがある点にも注意が必要です。
日々進化するAI技術をうまく取り入れれば、ChatGPTは単なるツール以上に、業務効率化やビジネスの価値向上を後押しするパートナーとなります。導入を検討する際は、自社の業務課題に合った活用方法を見極め、適切な運用体制と組み合わせて活用しましょう。