転機は、病気を防ぐ食事法
管理栄養士というと、病院勤務のイメージが強いのですが、梅原さんが個人で活動されるようになったきっかけを教えてください。
僕も、学生時代は病院勤務の管理栄養士になりたくて、実際に病院で働いていた時期もあるんです。しかし、病気で苦しむ人を見ながらある違和感を覚えてしまった。それは、病気になってから食事療法をしても、必ずしも病気から救えるわけではないということです。
病気になる前段階で食生活を改善して、病気を防ぐほうが、結果として健康な人を増やせるのではないか。僕はそう思っています。

それと、日本人の「痩せたい願望」にも警鐘を鳴らしたい気持ちがありました。
勤め先は精神科系の病院でした。外来に来られる患者さんの中には、間違ったダイエットをして心の病にかかる方がたくさんいたんです。どれだけ真剣に栄養指導しても、根本的な解決に繋がらないことがたくさんありました。心と体の両軸でサポートして、はじめて真の美と健康にたどり着けると思うからこそ、僕独自のダイエット法を提唱しようと思ったのです。
SNSを駆使。
ミレニアル世代に情報を届ける
独立後、どのような活動をされているのですか?
ダイエットの新常識を提唱すべく、情報発信をしています。実は、多くの人に認知されているダイエット法には誤ったものがたくさんあるんです。まずはその誤解を解きたい。
ただし、一方的に僕の考えを押し付けても、余計なお世話で終わってしまう。段階を踏む必要があるんです。まずは、若い世代に向けてダイエット情報を配信し、興味持ってもってもらうこと。その後、例えば、僕のSNSをフォローしてもらうなどしてもらえると、僕の発信をたびたび目にするようになります。そういう人から行動が変わっていけば嬉しいです。

若い世代に情報を届けるために、工夫されていることとは?
僕は、SNSを利用しています。メインで使用しているのはTwitter、note、Voicyです。
Twitterでは、毎日更新を原則とし、多いときで1日10回ほどツイートしています。地道にコツコツつぶやき続けて、現在は、約2,6000フォロワーさんに応援してもらっています。
情報量の多い長文を配信したいときは、noteの有料マガジンを活用。
また、話して伝える手段として、Voicyを利用しています。
SNSでの活動を開始してから、栄養指導のカウンセリングを希望してくださる方も徐々に増えていきました。

働く上で、大切にされていることは?
発信する情報に責任を持つこと。先ほど、ダイエットの誤解を解きたいというお話をしました。雑誌やテレビで発信されるダイエット情報には、賛同できかねる情報もあります。間違ってるなと思えば、どれほど報酬が高いお仕事でも、協業するのは難しいです。はっきりお断りしています。
楽しいと思うものに貪欲に
そんな梅原さんの「はたらいて、笑おう。」とは?
楽しいと思ったことをやること。
そのために、あえて目標を立てないようにしています。自由度がなくなるからです。自分が楽しいと直感的に思ったことに次々挑戦するからこそ、自分が想像しない世界にジャンプできるんだと僕は思うんです。
目標は立てずとも、やりたいことは明確です。
「多くの人に心も体も健康になってもらいたい」。
そのためにも、楽しいことにどんどん挑戦していきたいですね。

取材・構成:両角 晴香
写真:井手 康郎(GRACABI inc.)