#16

「今日も後悔しなかった」と1日の最後に笑う

ライフテーラー ゆこさん

OLとして働きながらジムに通い、約10カ月後にボディメイクの大会で優勝したゆこさん。現在は自身の経験を活かし、心と身体を健やかに保ち人生を楽しめる人を増やすべく、“ライフテーラー”として活動している。「美と健康」を追求するゆこさんが実践している「はたらいて、笑おう。」とは。

更新日:2018年6月28日

「何のために生きるのか」から「誰のために生きるのか」へ

「美と健康」に意識が向くようになったきっかけはなんだったのでしょう。

会社員として働いていた時、体調を崩し、精神的にも病んでしまったことが一つのきっかけです。当時の私は、とても先の目標を立て、理想像と今の自分を比べては、できていなかったことばかりを気にして摂食障害になってしまいました。いつも完璧を求め自分を追い込んでしまったんです。
結果、仕事を辞め、長崎の実家に帰ることに。そんな私に両親が「わからないことを考えるのではなく、目の前のわかることをやることが大切」と話してくれたんです。そこでまずは、漠然とした未来のことを考えて不安になるのではなく、目の前のことに取り組んでみようと社会復帰しました。
そうして頑張る中、今度は病気が見つかり・・・。健康でいないと目の前のやりたいことや仕事ができない、何よりも自分の人生を楽しめないと気付いたんです。そこから健康維持のために運動を始めました。これが「健康」に意識が向くようになったきっかけです。

また、病気も落ち着き、日々しっかり食べたり動いたりとプライベートも仕事も充実し始め、実家に帰った時、祖母が私を見て「いつも綺麗にしていなさい」と言葉をかけてくれて。その言葉で「健康に加えて女性として綺麗でいたい」と思うようにもなりました。

そこから「私は私の人生を生きる。そのために美と健康を意識しよう」と考えるようになりました。

そこから本格的に現在のトレーニングが始まったのですね。

実はそれまでほぼ運動をしたことがなくて。美と健康を考えた時、まずは有酸素運動から始めたのですが、身体のラインが変わらなくて。やったことのない筋トレをしてみよう!とジムをいろいろまわったんです。そこで出会ったのが、今のジム。「健康は一生もの。身体に合ったトレーニングをして、自分の身体でいつまでも健康に生きていこう」というコンセプトにとても共感したんです。「健康に美しく自分の人生を生きる」と考えていた私にぴったりだな、と感じました。
「完璧主義で高い理想を掲げて自分を追い込みながら、その反面、できないことからつい逃げてしまう」という性格だった私は、両親の言葉もあり、「まずは目の前のことを一つずつ、こつこつとチャレンジしていこう」と考えていました。今のジムは、まさにそのやり方。正しくトレーニングを続けることで、結果はついてくる、ということを教えてくれました。そこも合っていましたね。実際、それまでの運動では見られなかった効果が出始め、どんどん身体も変わっていったんです。

見つかった「人生で大切なもの」

 

ジムでトレーニングを続ける中で、身体だけでなく意識も変わっていったのでしょうか。

正しくトレーニングに集中できていると、必ず成果が出るんです。今しているトレーニングが、どこの筋肉を鍛え、どういう身体になるかがわかってくる。これまでは遠い先ばかり見て、今が見えなくなっていた。でも、目の前のことを頑張ることで、逆に未来が見えてくるようになったんです。健康になっていることも実感でき、どんどん楽しくなっていきました。そして、「健康になることの大切さ、素晴らしさを人に伝える仕事なら、私は楽しく本気で頑張れる」と思うように意識が変わっていったんです。
ただ私には実績も経験もない。どうしよう、と考えてたどり着いたのが「コンテストで優勝して実績をつくり、注目してもらうこと」だったんです。当時は丸ノ内でOLをしていましたから、まずは働きながらコンテストで優勝を目指そうと目標を決めました。

 

そしてわずか10カ月後に『サマー・スタイル・アワード 2017』のベティ部門で優勝されたんですね。

最初は「優勝するんだ」とばかり考えて、過去の優勝者の映像を観ては「この人ならこうする」と真似したりして打ち込んでいました。でもある時ふと「それはその人の人生だから。私は私のできることをやろう」と思ったんです。そこからは自分らしさを追求していきました。今振り返ると、まだまだやれることはあったかもしれないけど、その時の私はとても満足していました。自分との約束を一切妥協なくやり切ったのは人生でこれが初めてだったんですよ。それが嬉しくて。もう順位は気になっていなかったんですね(笑)。
優勝できたことで、今の仕事に踏み出す力がもらえました。2018年に個人事業主としてライフテーラーの仕事に集中することを決めたんです。

一日の最後に、心から笑いたい

「ライフテーラー」とはどんなことをされるのですか?

この言葉は私と夫で考えた造語なんです。ボディメイク目的だけのトレーニングを教えるのではなく、身体も心も健康で美しくいられるお手伝いをする仕事です。健康な身体で、人生を楽しんで生きること。それこそが健康であり、美しいことだと私は考えています。そのためには、マニュアル通りのトレーニングではだめ。その人の生活、身体の特徴、人生の目的に合った運動をしなければなりません。いわばテーラーメイドのマンツーマントレーニングです。それをプロの視点から考え、人生のパートナーとして併走する。そういう働き方がしたいという想いを「ライフテーラー」という言葉に込めました。

 

ライフテーラーとして大切にしているのは、「自分の人生を生きる」こと。私が私らしく生きないと、相手にその素晴らしさが伝えられないと思っています。そのためにしていることは「できないことから逃げない」です。「誰かができていることなら、私にだってできるはず」とどんどんチャレンジしています。そうすることで、人が挑戦していることを心から応援することができる。実は、「私は走ることが苦手」と言ってしまうんです。だから今、毎日走っています。目標はトライアスロンに出場すること。できる・できないは結果。やるか・やらないかに重きを置いています。達成したらまたできないことにチャレンジする人生を歩むんだと思います。

では最後に、ゆこさんにとって「はたらいて、笑おう。」とは?

私にとって「はたらいて、笑おう。」は、一日の最後に「今日も後悔なく自分らしく生きられた」と笑えること。
ジムのトレーニングでは、結構な重量を扱うことがあります。事故が起きれば、最悪の場合、怪我をして一生通院なんてことも。だから集中することが何より重要。そのために、そのトレーニングに入る前は覚悟を決めます。覚悟が決められるかどうかは、そのためにどれだけ準備をしてきたか、後悔がないように生きられたかどうか、なんです。同じことの繰り返しですが、つまり「自分の人生を思いっきり生きる」ということ。
私にとっての「美と健康」も同じ。自分の身体で何歳になっても運動を楽しんでいたい。それが美しく健康であることであり、自分の人生を楽しく生きることだと思うんです。
一日一日をしっかり後悔なく生きることが、ずっと未来まで自分の人生を自分らしく生きることに繋がると信じています。

 

取材・構成:橋本 こうたろう
写真:井手 康郎(GRACABI inc.)

 

ライフテーラー ゆこさん

元丸ノ内で働くOL。ベンチャー企業で活躍しながらジムに通い、夏が一番似合う男性・女性を決めるコンテスト『サマー・スタイル・アワード 2017』のベティ部門第1位に輝く。現在は「ライフテーラー」として、美と健康を維持しながら「自分の人生を楽しむ」方法を広く伝えている。
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