DX時代の人的資本経営
開示とリスキリングのためのデータ活用
DXの進展に伴い、多くの職種で業務の高度化に備えたリスキリングが必要とされるようになりました。集権的な人事を改め、市場メカニズムを通じた内部労働市場の活性化とリスキリングに向けたインセンティブ付けが不可欠です。そのためにジョブ型雇用とリスキリングは一体として推進される必要があります。
また、人的資本投資を高める上で労働市場における企業間競争が重要な役割を果たすため、人的資本情報開示は今後も強化されていきます。開示やリスキリングに向けた有効なKPI設定が求められ、ピープルアナリティクスが生み出すエビデンスに基づく経営が重視される時代になることが予想されます。
本講演では、人的資本理論の枠組みを踏まえ、日本企業に必要な制度改革、リスキリングに必要な体制作り、ピープルアナリティクスとKPI設定の関係やその実践方法、などを実例も交えながらお話いただきます。

大湾 秀雄氏
早稲田大学 政治経済学術院 教授
東京大学理学部卒業後、野村総合研究所勤務を経て留学。コロンビア大学経済学修士。スタンフォード大学経営大学院博士。ワシントン大学オーリン経営大学院助教授、青山学院大学国際マネジメント研究科教授、東京大学社会科学研究所教授を経て2018年から現職。専門は人事経済学、組織経済学、労働経済学、およびイノベーションの経済学。人事面の経営課題解決のための実務家向け研究会や講座を主宰する。著書に『日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用』(2017年日本経済新聞出版社)など。