社員の要望から生まれた、
キャリアオーナーシップ支援施策
「ジョブトライアル」とは、グループの約3万人の社員を対象に、労働時間の一部を使って、グループ内の別部署の仕事を最大3か月間体験することができる施策です。
本施策は、社員から「現在の仕事を続けながら、異なる仕事体験や交流を通じて視野を広げたい」「現在の組織でキャリアアップを目指すか、異なるキャリアに転身するか、自分に合うキャリアを見つけたい」などの要望に応える形で企画され、2020年にスタートしました。
2024年4月時点で、累計約1,000名の社員が参加しています。参加者からは、普段の仕事では得られない新たな発想やキャリアへの気づきが得られたという意見が多く寄せられています。またジョブトライアル社員を受け入れる組織からも、グループ内の多様な能力を持つ社員が参加してくれることで、組織内で凝り固まった発想や考え方に化学反応が起きるなど、新たなシナジー効果が生まれているという前向きな反応があります。
実際にジョブトライアルに参加して
感じたこと
IT領域でグローバル人材の採用支援を行っていた中條さんがジョブトライアルへの参加を決意したのは、今後のキャリアについて考えるとともに、IT未経験ながらテクノロジー業務について学びたいと考えたためです。
中條さんは、人事業務のデジタル化を支援する部署に参加しました。そこでは、座学や実践的な活動を通じてITの基礎知識を学び、企画資料作成とプレゼンを体験しました。この体験を通じて、中條さんはITを仕事にするイメージを持ち、今後もテクノロジー業務に携わりたいと感じるようになりました。その後、中條さんはさらに努力を重ね、現在のIT部門への異動を実現しました。
中條さんたちの受け入れを担当した金田さんにも、ジョブトライアルへ参加した理由を伺いました。主な理由は、参加者に仕事体験の機会を提供し、自分らしいキャリア選択をサポートしたいという思いからでした。金田さんは自身がキャリアチェンジをしたことがあり、誰よりもキャリアチェンジの意義や難しさを理解していたのです。
受け入れる参加者の人数が多かったため、各参加者の企画書にフィードバックすることは大変な側面もありましたが、実際の業務に役立つ事例もありました。
参加者からは「普段の業務では得られない提案の機会をもらい、グループ内での連携が始まった」「資料が論理的でわかりやすいとフィードバックをもらい、自分の強みを発見できた」「今回学んだことを自組織や自分のキャリアに生かしたい」といったコメントが寄せられました。また社員の能力開発や成長の機会は、本業以外にも身近に存在するということを知ってもらえたと思います。
今後について
ジョブトライアルをはじめ、キャリアオーナーシップ支援施策への参加によって、社員は新しい仕事に挑戦し、多様な人との交流を通じて、自身の価値観や経験を広げることができます。異なるバックグラウンドを持つ社員同士が協力することで多様な能力が生かされ、新たなアイディアが生まれることもあります。また社員がこれらの経験を自組織に還元することで、さらに多様性が広がります。パーソルグループでは、これからも社員の能力開発と成長をサポートし「個を伸ばす」こと、そして多様な能力を生かし合う「場をつくる」ことを通じてDEIの推進に取り組んでいきます。
パーソルホールディングス株式会社
ITマネジメント室 コンサルタント
中條 未祐さん
パーソルキャリア株式会社
人事BITAグループ マネジャー
金田 直樹さん