社員の生産性を高めたい
パーソルテンプスタッフは、常時約7,000社、約20,000件の求人を扱っており、その事業特性上、数多くの営業拠点を有しています。また、営業社員が担当する顧客の業種や提供する商材はさまざまで、担当するエリアが広範囲におよぶ営業社員も存在します。例えば、新宿に在籍している営業社員が、新宿に出勤し、営業活動を多摩エリアで行ったあと、事務作業のために自席のある新宿に戻り、業務終了後に八王子の自宅に帰るようなことが多くありました。しかしながら、所属拠点以外で事務作業を行う仕組みはありませんでした。一方で、オフィスに目を移すと空席や空いたスペースがあり、それらを活用したいという課題がありました。
パーソルテンプスタッフとして「働き方改革」を推進し、生産性向上を目指す中で、はたらく場所の柔軟性を高めていくことは一つのテーマです。外回りの営業社員を中心に外出時の移動時間をもっと短縮できないか。そのために、数多くある拠点をもっと有効活用できないか。その解決策として、営業拠点を他拠点の社員が自由に使うことのできるシェアスポットの取り組みを始めました。

シェアスポットから生まれた
さまざまな効果
まず、秋葉原、大宮、立川の3拠点に試験導入し、徐々に設置拠点数を拡大しています。多くの社員にとって使いやすく、エリアのハブとなるような拠点を中心にシェアスポットを設置しました。場所によっては、満席となるくらいにぎわうシェアスポットもあります。
利用者の移動を含めた業務時間の短縮効果は大きく、1日あたり平均88.5分短縮できているという結果が出ています。こうして生まれた時間の一部を、派遣スタッフやお客さま企業に寄り添う時間にあてることができ、より質の高いサービスが可能となっています。また、資料作成や事務処理などに集中して取り組むことができるため、業務品質も上がり、生産性も向上しています。さらに、他拠点との交流から新たな横の繋がりも生まれ、業務に関する新たな気づきやモチベーションアップにも繋がっています。
シェアスポットの設置拠点の拡大とともに、マネジャーやコーディネーターなど、営業職以外の社員の活用も増えています。直行直帰も可能になり、柔軟なはたらき方が促進されています。
今ある資産の
有効活用に向けて
今後シェアスポットはさらに増やしていく予定です。ただし、シェアスポットは共有スペースであり、譲り合って使用するなどの工夫が必要です。また、同じ部署の社員が別々の拠点で業務にあたるため、コミュニケーションロスを防ぐために、ミーティングのやり方などの改善も必要です。ニーズが増えるに伴い、利用ルールの見直しも課題となっています。
今後は、シェアスポットありきではなく、社員が柔軟にはたらき方を選べるようにするためには何が必要か、引き続き考えていきたいと思います。例えば、所属オフィスを離れても仕事が進められ、かつ必要なコミュニケーションがとれるのであれば、社員全員に決まった席があるという前提から考え直す必要があるかもしれません。
シェアスポットは今ある資産の有効活用から生まれた取り組みです。パーソルグループは数多くの拠点を有しています。各グループ会社を横断した資産の有効活用の可能性は、大いにあると考えています。

パーソルテンプスタッフ
株式会社
人事戦略部 人事企画室 室長
北澤 祐介