PERSOL Work-Style AWARD 2021

Asami Yukutake

パラレルキャリア部門

コミュニティマネージャー/ワークキャリア 事業マネージャー/コワーキングコミュニティ hinode 店長
行武 亜沙美

新卒でインテリアショップ店員として勤務し、結婚後は専業主婦に。パートタイマー時代に「『発信力をアップさせる』ゼロからのやさしい図解」を執筆し、SNSで話題になったことをきっかけに独立。フリーランス、会社員を経てパラレルキャリアを築く。現在は複数企業に所属しながらキャリアスクール、コワーキングスペース、オンラインサロンのマネージャーを担当。フリーでシェアハウス運営や講師業も行っている。

仕事があるから個人として生きられる。
アーティストになりたかった女性が手掛ける、
人が育つコミュニティ

コワーキングスペースの店長であり、キャリアスクール「ワークキャリア」の事業マネージャーであり、シェアハウスの運営者でもある行武亜沙美さん。複数の仕事を掛け持つパラレルワーカーとしてはたらく彼女は、元々専業主婦でした。どのような経緯をたどりパラレルワーカーとなったのか、またパラレルワークではたらく意義とは何なのかをお話しいただきました。

アーティストに憧れた学生時代。店長職、専業主婦、パートタイマーを経て次のキャリアへ

—現在の仕事の内容について改めて教えてください。

自然の豊かな千葉県いすみ市でコワーキングスペースhinodeの店長をしたり、地方滞在型のキャリアスクール「ワークキャリア」を運営したり、オンラインサロンのコミュニティマネージャーをしたりと複数の仕事をしています。2020年には、いすみ市への移住者のサポートができるよう、自分でシェアハウスを立ち上げ運営をはじめました。難しい事象を図説明する「図解屋」のノウハウを教える仕事もしています。複数の仕事を平行して取り組んではいるのですが、ほとんどの仕事の根底には「コミュニティ」というキーワードがあります。

—なぜそのような仕事をするに至ったのでしょう。学生時代の専攻はモダンダンスだったとか?

学生時代は思いっきり好きなことをしようとダンスを学べる大学を選びました。私は子どものころからアーティストへの憧れが強かったのですが、大学で出会った人たちの熱量に圧倒されて、それには敵わないことに気づいてしまったんです。私はダンスが好きなだけであって、仕事にできると思えなかった。思えばそれが人生最大の挫折だったかもしれません。そこで他の大学生と同じように就職活動をはじめたのですが、芸術系の大学からの就職活動はなかなか大変で。社会常識が全然身に付いていないのでことごとく落とされてしまったんですよ。ただそんな私でも唯一面白がって拾ってくれたところがインテリアショップを展開する企業でした。そこで2年間は店頭スタッフ、2年間は店長としてはたらき、その後結婚を機に退職して専業主婦となりました。

—専業主婦になることを選ばれた理由は?

「この仕事で60歳まではたらけるだろうか」という不安が一番大きかったように思います。でもやっぱり仕事がしたくて3年後にはパートタイムでの仕事をスタート。しばらくすると高校時代の同級生に「webメディアの運営を手伝ってほしい」といわれwebに関わる仕事をはじめました。当時は好きなことを発信して稼ぎを得るブロガーたちが大活躍していた時期。webメディアの仕事を通じて、SNSを活用すれば新しい道が開けることを知り自分もやってみることにしました。当初は短文で発信できるTwitterが主だったのですが、自分の得意な図解化する技術の解説には需要があるかもしれないと考え、有料で販売できるブログを公開。初めて書いた記事が2,000部を売り上げました。

フリーランスとして独立するも一人で黙々と作業をするのは寂しかった

—その後は「図解屋」として活動されます。

商売をする時に自分が何屋であるか明示しておくは重要です。魚屋、八百屋、洋食屋。何を扱っているのかすぐにわかるので親切ですよね。それで私は「図解屋」を名乗ることにしたんです。
たくさん売れた記事をきっかけに継続したお仕事をいただけるようになり、これがパートと同じぐらいの収入になったので、せっかくならやっていて楽しい方を仕事にしようとパートを退職しました。

—本格的なパラレルワーカーとなる前にフリーランスの「図解屋」になられたのですね。

そうなんです。でも一人で黙々と図解の制作作業をしていたらなんだか寂しくなってきてしまって。チームでの仕事をしたいなと思っていたころに、いま所属している会社が人員を募集していることを知り、応募しました。hinodeとの出会いは店長の佐々木ゴウさんがブログで図解技術を買ってくださったことに端を発します。やりとりを重ねていくうちに、コミュニティスペースであるhinodeで図解の講座を開かせてもらえることになり、コミュニティではたらくことの楽しさを覚えました。結局フリーランスでいたのは3カ月だけで、わりと早い段階でパラレルワークが始まりました。

—仕事はその後、軌道に乗られましたね。

hinodeがある千葉県いすみ市がとても環境のいいところだったので、移住をすることにしたんです。当初はhinodeの店長として着任しましたが、その後hinodeで開催されているキャリアスクールの運営にも関わりだしました。さらに高校時代の同級生が場所を選ばない仕事としてオンラインサロンの運営の仕事も任せてくれることに。シェアハウスの運営まではじめたのは、キャリアスクール卒業生の移住希望者が増えたからです。地方でいきなり2年の賃貸契約をするのはハードルが高いため、気兼ねなく滞在できる居場所を提供することにしました。

人がイキイキとはたらいている姿を見ることが喜び。
パラレルなはたらき方で人生の手綱を握れるようになった

—パラレルワークをすることにどのようなメリットを感じていますか。

私の場合、一つの場所に留まっているとどうしても視野が狭まってしまうんです。けれど活動拠点が増えれば、こっちの情報もあっちの情報も取ってくることができるのでお得。一つの出会いを複数の事業に生かすこともできます。
大変なことはやっぱりスケジュール管理です。油断すると予定を詰め込みすぎてパンクしそうになります。仕事を手広くしていると、ありがたいことにたくさん面白いお話をいただけるので、ついついいろいろと応じてしまう。最近では自分でスケジュール管理をすることに限界を感じ、オンライン秘書にマネジメントをお願いすることにしました。経理もお金に詳しい同僚にお任せ。やりたい仕事に注力するために苦手なことはできるだけ手放すことにしました。そういえば昔から母親に言われていたんですよ。「適性があることを伸ばした方が楽じゃない?」って。

—いまのはたらき方になってから、人生は変わりましたか?

人生の手綱を自分で握れるようになったと感じています。新卒のときはまだ、はたらくことに対してあまり自分の意志が持てていませんでした。ただ、専業主婦になってからやっぱりはたらきたいと思いましたし、完全なフリーランスは自分の性には合いませんでした。一方、いまは仕事の内容もほとんどが好きなことや得意なことで、それらがうまく循環しています。
3年前の思いがけない出来事がきっかけではたらき方が劇的に変わりいまの状態があるわけですが、自分にとってはいまのはたらき方が一番しっくりきています。どこかの分岐点で違う選択をしていたとしても結局いまのようなはたらき方に辿り着いていたきがしますね。

—才能や得意なことって誰にでもあるものでしょうか。

得意なことがない人っていないと思うんです。第三者から褒められるというような明確に得意だということがなくても、よく幹事を任されるとか議事録を頼まれるとか、繰り返し頼りにされるシーンがあればそれがきっとそのなかに得意なことがあります。「この人がいればこれはうまくいく」って周りの人が判断しているんですよ。だからそれが仕事に生かせたらいいんじゃないかなぁと思います。

一人ひとりが自分の人生の
主人公になれたらいい

―はたらくうえで大切にしていることはなんですか?

正直、業務内容にこだわりはないんです。でも私は両手の届く範囲にいる人を大事にしたい。一緒にはたらく人、空間を共にする人が自分らしく楽しく生きていく手伝いがしたいと思っています。
いま思えば、店長をしていた新卒時代から私は人がいきいきとはたらける環境づくりが一番大切だと考えていました。結果はその後についてくると思っていたんです。コミュニティを運営していて一番やりがいを感じられるのは、その人が最も活躍できる場を提供すること。コミュニティのみんなが楽しくはたらいている姿をみられることが私のモチベーションにつながっています。コミュニティのための仕事ができるのは、店長時代に培った人を生かすスキルがあるおかげです。

—夢はありますか?

村をつくりたいです。ひとくちに村っていうと驚かれるかもしれませんが、概念的な小さな空間をイメージしています。いま運営しているコミュニティは個性豊かな人たちが集まっているんですよ。web関係の仕事をしていたり、料理ができたり、空き家を活用する事業をしていたり。いま彼らのほとんどは独身なのですが、今後結婚したり子どもがうまれたりしても、自分らしくはたらきながら家庭を築ける場所をつくりたい。子育てもみんなで協力しあえる環境を築きたいです。商店街のプロデュースなんかもやってみたいですね。

—行武さんの考える「はたらいて、笑おう。」とは?

自分の人生の主人公になることではないでしょうか。自分で選んだことに結果が出れば、はたらくことにリアルな感触を覚えることができる。張り合いを感じられて、次はこんなことをしてみようと思える。
仕事って社会とつながるきっかけだと思います。そして仕事を通じて社会とつながれば、個人として生きている実感を持てる。私は、女性だとか店長だとか妻だとかそういう肩書きなしで「行武亜沙美」として生きていきたい。それが叶うはたらき方の一つがパラレルワークなのかもしれません。
そういう意味では、いまのはたらき方はアーティストを目指していたころと通じるものがあるのかもしれませんね。手段は違ったけれど、個人として生きたいという想いはずっと変わっていないのかもしれないです。(文・大川 祥子  写真・北村 渉)

パラレルキャリア部門
受賞を受けて

連絡をいただいたときは「なぜ私が」と大変驚きました。接客業、専業主婦と特筆すべき事項のない生き方をしてきた私ですが、試行錯誤してきた結果を認めていただけたのかなと大変うれしく思っています。ありがとうございました。

行武 亜沙美さん

コミュニティマネージャー/ワークキャリア 事業マネージャー/コワーキングコミュニティ hinode 店長

連絡をいただいたときは「なぜ私が」と大変驚きました。接客業、専業主婦と特筆すべき事項のない生き方をしてきた私ですが、試行錯誤してきた結果を認めていただけたのかなと大変うれしく思っています。ありがとうございました。

行武 亜沙美さん

コミュニティマネージャー/ワークキャリア 事業マネージャー/コワーキングコミュニティ hinode 店長

WORKS

  • コワーキングコミュニティhinode
  • シェアハウス運営
  • ワークキャリア-1
  • ワークキャリア-2

行武 亜沙美 コミュニティマネージャー/ワークキャリア 事業マネージャー/コワーキングコミュニティ hinode 店長

行武 亜沙美さんへのお問合せ・ご依頼の方はContactよりご連絡いただけます。