U-30部門

HIRONORI KANAMURA HIRONORI
KANAMURA
PERSOL Work-Style AWARD 2019

日本を外国人が暮らしやすい国に 5,300人以上の仕事を生み出す若き起業家

金村容典さん(株式会社フラミンゴ 代表取締役CEO/東京)
立命館大学大学院法学研究科に在学中。2013年~2014年にVC、2015年春には文科省EDGEプログラムの一環でシリコンバレーを訪問しチャットワーク株式会社でインターンを経験。2015年にインターンとして株式会社ディー・エヌ・エーの新規事業である"Anyca"のマーケティングに従事したのち、株式会社フラミンゴを立ち上げた。多文化共生社会の実現に貢献するため、カフェに外国人を呼んで外国語のレッスンを受けられるアプリ「フラミンゴ」をリリース。

01.WorkStyle / 仕事紹介

留学生の苦しい生活を解決するために起業

株式会社フラミンゴ 代表取締役CEOの金村 容典さんは、英会話・外国語レッスン予約サービス「フラミンゴ」を立ち上げた若き起業家だ。「フラミンゴ」は英会話学習のマーケットプレイスサービスで、英語を教えて収入を得たい外国人と英語を教わりたい日本人をウェブやアプリでマッチングする。一般的な英会話スクールのように施設に通うのではなく、ウェブやアプリから近くのカフェなどで会って気軽に英会話レッスンを受けられるのが利点だ。

着想を得たのは大学院に通っていた時。知り合いの留学生たちが選ぶアルバイトは深夜朝方までのコンビニで、授業直前まで働いていた。授業料だけでなく母国への仕送りまで稼ぐために苦しい生活を強いられているケースは多かったが、学業優先で就労ビザを取得していない留学生だと1週間で28時間以内しか働けず、高時給のアルバイトを選ぶ必要がある。留学生も働ける高時給のアルバイトは限られており、ろくに睡眠時間も取れないまま大学院へ通う姿を見て「せっかく日本に来ているのに、選択肢が限られているのは問題だ」と感じた。

外国人のメジャーな働き口と言えば英会話スクール。一般的な英会話スクールは駅前などアクセスがいい場所に施設を構えており、収益の多くが家賃に割かれてしまう。「教室を持たなければ施設費がかからず、その分を外国人講師にフィードバックできる」と考えた金村さんは、個々にマッチングして都合のいいカフェで自由に英会話レッスンを受けられるモデルを考案し、「フラミンゴ」の原型が出来上がった。

2015年に株式会社フラミンゴを立ち上げ、現在も社長業を行っている。「フラミンゴ」が軌道に乗ってからは採用や広報などコーポレートサイトの仕事を中心に動いており、新規事業の立ち上げも担当。どこにニーズがあるかといった調査を行い、0から1を生み出すのが金村さんの得意分野だ。生まれ育った日本をより良い社会にするべく日々活動している。

02. Thoughts on Work / 仕事に対する想い

外国人が働く場を増やし、豊かな生活ができる国にしたい

2015年に文科省EDGEプログラムの一環でシリコンバレーを訪問してインターンを経験するなど海外経験豊富な金村さんは、外国人をリスペクトしている。たくさんの国があるなかで、外国人がわざわざ日本に来ること自体がうれしい。外国人だからとハンディキャップを感じて帰国してしまうような状況は極力減らしたかった。

日本に住む外国人は働くところと住むところに困っていることが多い。住むところはシェアハウスなど新しいサービスがどんどん生まれているので、自分は働くところを増やしたいと考えた。そこで「外国人の働く環境を良くするサービスを作ろう」という想いを抱いたのだ。

仕事で一番好きな瞬間は、ユーザーから「良い生徒さんに会えてうれしかった」といった良い評価を受けた時だ。生まれ持った起業家精神もあり、世の中のだれかにとって価値があるものを生み出すことがうれしく、この上ない喜びを感じる。「自分が介在することで外国人が働きやすくなるのなら、自分ができることは何でもしよう」と動き続けた。

03. Review of 2018 / 2018年の振り返り

仕事への意欲と成果を出すノウハウが重なった時、人は成長する

事業規模が大きくなった時、社長として成長しなければならないと実感した。最初は小規模なチームで事業を回せていたが、サービスが成長するにつれて「もっと多くの人に利用してほしい」という気持ちも強くなり、自分ではマネージメントできなくなった。

思うように仕事が回らず自身に憤りを覚えるようになったが、冷静にうまくいかない原因を考えた。自分の力が伸びる瞬間とは、今の仕事に向き合って成果を出そうとする意欲と成果を出せるノウハウの2つが重なった時だ。その重なりを生むためには、自分のやる気と支えてくれる人が必要。自分よりビジネス面で前に進んでいる人と接点を持ちつつ、仕事で成し遂げたい目標を強く持つことが大事だと述べる。

「成し遂げたいことや目標が見つからないという人もいますが、そんなに大層なものでなくてもいいんです。何万とある仕事のなかから今の仕事を選んだわけですから、何かしらそこで働こうと思った理由があるはず。たったひとつでもいいから、その理由を思い出すだけで目標は見えてきます」

たとえ見つからなくてもタイミングが今じゃないだけで、数年後に見つかることもある。金村さんは「街を歩いている人全員が本気で仕事をしていたら怖いですよね。僕は運が良くて、周りの人に刺激を受けながら前に進めているだけです」と笑う。

会社の成長とともに芽生えた「社長意識」

2018年は外国人ユーザーに講師登録してもらえるように注力し、2017年末に約1,200人だった登録者数は2018年末には約5,300人にまで増えた。アプリ開発前から何人もの外国人に会ってコミュニティを作るなど泥臭く活動してきた金村さんだが、サービスの満足度を上げることに目を向けた。

「フラミンゴ」の特徴は、ユーザー自身が時給を設定でき、曜日や時間に縛られず自由に働ける点だ。一般的な英会話スクールだと講師は週3日前後しか仕事がないケースも多いが、「フラミンゴ」を活用すれば空いている時間に近くのカフェでレッスンを行うなど兼業しやすく、効率的に稼ぐことができる。サービスを通じて外国人の働き方改革を実現できるのである。こうした隠れたニーズは、実際に何人もの外国人からヒアリングして見つけたものだ。サービスの満足度は着実に上がり、登録者数増加につながった。

また、2018年は仕事への意識を変えた年でもあった。金村さんにとって仕事はライフワーク。人生の中心に仕事があり、だからこそ多忙な立ち上げ期ものめり込むように駆け抜けてきた。しかし、その分社長としてのプロ意識に甘さがあったのではと考えている。

「5人前後だった従業員が15人近くになり、自分の働き方もバージョンアップしないとみんなのポテンシャルが発揮できないと感じるようになりました。これまでは失敗してもリセットすればいいという柔軟さを持って取り組んでいましたが、絶対に成功させるんだというストイックさも必要。趣味じゃなく仕事だと定義するだけで頭が切り替わります」

04. 2019 resolution / 2019年の抱負

新しい事業に乗り出し、今まで以上に飛躍する年に

2019年も「外国人が働きやすい日本」を目指し、居心地のいい環境づくりを続ける。外国人労働者の生活の質を向上させるのが目標だ。それを前提に「自身と会社が今まで以上に成長できる年にしたい」と考えている。これまで以上に成長するには、今までにない挑戦をする必要がある。

「英会話だけに取り組んできましたが、今年は語学以外にも目を向けて、外国人が働く際に抱えている課題を別角度から解決できる事業を生み出したい。主体者として会社を引っ張りながら、足りない部分はその都度キャッチアップして自分のレベルも引き上げていこうと考えています」

その一方で、「自分にはリーダーシップはない」と述べる金村さんは、自分だけでなく周りの力を最大化するための努力を怠らない。ベンチャー企業ながら、20時にはほとんどの社員が退社している。長時間労働が当たり前になると効率化しなくなるうえに、だれか一人が遅くまで働いているだけで全体の効率が下がる傾向もある。金村さん自身も取締役などに仕事を任せて、背中を預けながら自分のするべき業務に集中している。

採用で重視しているポイントはマイノリティに手を差し伸べたいという想いがあるかどうかだ。日本で暮らす外国人の生活が少しでも豊かになるよう、金村さんはチーム一丸で社会改革に取り組み続ける。

Other Winners

PERSOL Work-Style AWARD 2019 Winner

働くことそのものを輝かせ、人生を楽しむことにつなげていくために、すべての働く人を支援したい。十人十色の成長と笑顔にスポットライトを当てる。 PERSOL Work-Style AWARD 2019 受賞者たち。