【サイボウズ 青野慶久】「頑張る」と「真剣になる」はまったく違う。 | PERSOL(パーソル)グループ

 

  • #01

  • サイボウズ株式会社
    代表取締役社長 青野 慶久

「頑張る」と「真剣になる」はまったく違う。

以前の僕は、どこか人生を適当に考えていたところがありました。大学も会社も希望通りに進むことができ、26歳の時に同僚と起業した会社は4カ月で黒字化。おまけにほどなく上場も果たしました。人生ってこんなものかと、勘違いしてしまうのも当然かもしれません。

ところが、2005年に社長を引き継いでからが大変でした。ここからの2年間はまさに地獄で、挫折の連続。たとえば、事業拡大を目指して次々に会社を買収したものの、赤字経営に陥ってしまい、9社のうち8社を売却するはめに。また、当時はがむしゃらに働けばそれでいいと思っていたので、社内環境は最悪。離職率は28%に達する、いわばブラック企業の走りでした。

何をやってもうまくいかず、死にたいくらい辛い気持ちを味わっていたこの時期。悩みに悩み抜いて、そこでやっと気づいたことがあります。それは、「頑張る」と「真剣になる」はまったく違うということでした。自分に足りなかったのは、命懸けでやる覚悟だったのです。

青野 慶久

グループウェアは自分なりに信念を持って始めた事業です。インターネットを活用すれば、世の中の人がもっと楽しく、効率的に働けるようになると僕は確信していました。ところが振り返ってみれば、自分の会社ですら誰一人楽しそうに働いていない。これでは目標を叶えられるはずがありません。

世界一のグループウェアを作り、それを世界に広めること。それこそが、自分が命を賭して成し遂げる目標だと再認識したことで、自分の人生に1つの“法則”が生まれました。

命懸けで向かうべき目標が定まると、自分の中に明確な判断基準ができあがります。もし、うまい儲け話が舞い込んだとしても、それが目標と無関係なら目移りすることはありません。あるいは、海外から大手の競合が進出してくると聞いても、自分のやることは変わりません。つまり、人生の法則を見つければ、誰しもぶれずに邁進するしかないわけです。

では、そうした命懸けの目標は、どうやって見つければいいのか。それは、自分がワクワクするものを知ることから始まるのだと僕は思います。

もし、自分のやりたいことがわからないなら、5年後、10年後の目標を考えるのではなく、試しに今から1時間後の目標を考えてみてください。「会議で自分のアイデアを通す」でも、「目先のタスクを何時までに終わらせる」でも、何でもいいでしょう。小さなPDCAの繰り返しが、人生の法則に到達するためのトレーニングになります。

なぜなら、人生はそうした1時間の積み重ねだからです。それを叶えた時に得られる小さなワクワクは、必ず人生の大きなワクワクに通じているはずなのです。

青野 慶久

青野 慶久

Aono Yoshihisa

サイボウズ株式会社 代表取締役社長

1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部卒業。松下電工(現パナソニック)を経て1997年愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年より現職。

※この記事は2018年2月の取材を基に作成し、同4月4日に掲載されたものです。

PERSOL(パーソル)グループ