【都市圏若者×地方企業】人材マッチングで若者の地方移住・転職を推進!

事業拡大・事業開発 経営者・役員

政府、地方の商工会議所・商工会、民間事業者が官民一体となり、
若者の地方移住・転職を推進する取り組みをスタート

近年、地方企業が抱える人材不足の問題に対して、大都市圏の早期離職者と地方中小・中堅企業をマッチングさせる施策が政府等によって取りまとめられた。求職者の多くがスマホで民間求人サイトを活用している点に着目し、地方の中堅・中小企業の求人情報が民間求人サイトに掲載されることを促進させる枠組みを構築した。今回、この取り組みをより多くの方に知ってもらうために、2019年3月18日にシンポジウム「スマホで見つける地方のしごと」が開催された。

求人サイト「doda」を運営するパーソルキャリアもこの取組に参画し、これまで以上に都市部から地方への人材還流に注力していく。また本シンポジウムでは、doda(デューダ)編集長の大浦征也が登壇し、現在の転職市場についてや、求人サイトが担う役割、活用のメリットなどについて語った。

民間求人サイトの活用を促進 若者と地方企業を結ぶ

冒頭、厚生労働省人材開発統括官の吉本明子氏から、今回の取り組みの背景およびメリットなどについて説明があった。

 

現在、地方の中堅・中小企業の65%が人手不足という課題を抱えている一方で、大卒新卒者の約3割が3年以内に離職している。同時に大都市圏の若者の地方移住・就職の相談窓口への問い合わせは10年間で10倍以上増となっており、地方移住に関心を持つ若者が大きく増加しているという状況がある。こういった状況をふまえて、大都市圏で就職して早期に離職した若者と地方の中堅・中小企業をつなぐ必要があるというのが、今回の取り組みにおける背景だ。

民間求人サイトには数百万人の求職者が登録し、なかには月間数千万ページビューのサイトもある。さらに実際に転職者の約3割が求人広告や民間求人サイトなどを利用して転職をしていることから、地方での就職希望の若者に対しても効果的なアプローチが可能と考えられる。

民間求人サイトに地方の中堅・中小企業の求人情報をより多く集めるために「求人サイトに関する基本情報を比較可能な形で整理し、情報を提供」、さらに「複数の求人サイトに登録可能な登録様式を作成」することで、求人企業の利便性を向上させることを目的としている。(図1)

 
図1 取組の概要
出所:厚生労働省HP・経済産業省HP「大都市圏の早期離職者等と地方の中堅・中小企業とのマッチング」
シンポジウム資料1 新たな取組と政府等による関連支援策等について

「もちろん地方にもやりがいのある魅力的な仕事がありますが、そうした情報が都会の若者まで十分届ききっていないのではないかと。その分、今回のスキームによりPRの余地はまだまだあろうかと考えておりまして、双方の情報のミスマッチを解消し、地方の中堅・中小企業の魅力に気づいていただくためにこのスキームをぜひ活用していただきたい」(厚生労働省・吉本氏)

SNSの普及とともに、転職は「非日常」から「日常」に

続いて、求職者と求人企業のマッチングに取り組む民間事業者として、株式会社マイナビ専務取締役の浜田憲尚氏、そしてパーソルキャリア営業本部本部長であり、doda編集長の大浦征也が登壇し、それぞれの取り組みについて紹介があった。

国内第2位の人材総合サービスグループであるパーソルホールディングスは国内に46エリア、432拠点を有し、全国47都道府県との取引実績がある。これまでもWeb求人広告・転職フェア・転職面談会による移住促進などの取り組みを行ってきた。長年にわたり、転職希望者のキャリアカウンセリングや転職活動サポートに携わってきた大浦から、現在の転職市場を表すキーワードとして「日常性」という言葉が挙がった。

doda編集部の調査によれば、全世代で5割以上が転職をポジティブにとらえていて、特に20代では64.2%がポジティブと回答。「ポジティブかネガティブか、というよりは、むしろ一般化していて、いつ何時、転職という事実が自分につきつけられてもおかしくないという時代になってきている」と大浦は語る。

 

そして求職者が求人を探すために最も利用されている手段は求人・転職サイトであり、求人メディアへの露出は採用において欠かせない手段となっている。以前は、転職希望者が求人サイトに登録するというのは覚悟を持って行うことであったが、今やSNSの普及などによって、転職のためだけではなく、情報収集のために登録して求人情報を見るという人が増えているのだという。

「求人サイトへの登録への垣根は、非常に低くなっていて、dodaでも10年前に比べ登録者は7倍になっています。また信じたくないデータですが、大卒新卒者が入社した4~5月に人材会社に登録するデータが10年前の30倍になっています」(大浦)

こうした転職情報に日常的に接する若い世代に対し、求人企業や自治体も意識を変化させて、「採用したいから募集を出す」のではなく、それ以前から情報発信をしていく必要があるという。

さらに求人メディアのWEB解析ツールについてふれ、いつ誰がどの求人広告を見て、何に興味を惹かれて応募したのかといった情報を得られるメリットについて言及。「採用できるかどうかだけではなく、求人メディアを通して求人活動をすることによって、自社の何を変えなくてはいけないのか、その地域の何が訴求ポイントになるのかといった情報をフィードバックできるので、その後自力で採用活動をすることになっても、こうした情報は必ず役に立ちます。そういう普遍的なノウハウがご提供できるというのも、我々と接点を持つメリットになろうかと思います」と説明した。

結びとして、時代の変化とともに求人活動の手段も変わってきていると説明し、求人メディアを活用することで多くの都市部の離職者が地方へ還流していくという状況が作り出されるのではと、今後への期待を述べた。

 

地方と求職者のギャップを埋めるために、求人メディアができること

最後に地方自治体および商工会議所、そしてUターンによる移住・転職経験者の方を招いて地方移住、転職に関する生の声やこの取り組みに関する期待について、パネル・ディスカッションが行われた。

 

モデレータである経済産業省地域経済産業審議官の松永明氏の進行のもと、まず大都市圏からの移住・転職促進に積極的な3つの自治体の市長(青森県八戸市・小林眞市長、新潟県三条市・國定勇人市長、長野県岡谷市・今井竜五市長)と、山形県の米沢商工会議所の吉野徹会頭が、それぞれの地域の魅力、人材確保の取り組みなどを紹介。その後、実際に地方への移住・転職を経験した株式会社荒谷建設コンサルタント(広島市)の山中佑太氏、シタテル株式会社(熊本市)の藤本貴大氏から苦労したことや地方で仕事をすることについての魅力について経験談が語られた。

これら自治体、移住・転職経験者双方の話を受けて、株式会社マイナビの浜田専務は「大都市圏を離れ、地方で働くことに対する求職者の不安を解消するようなサービスに、人材ビジネス事業者はさらに力を入れて取り組むべきだ」と話した。加えてUターン・Iターン希望者はワークライフバランスをよくしたいと考えている人が多いが、地方の企業には完全週休二日制の導入ができていないなど労働環境の問題が未だにあること、さらに給与水準が大幅に下がることが求職者の不安を大きくしていると指摘した。

パネル・ディスカッションのまとめとして、内閣総理大臣補佐官・内閣広報官の長谷川榮一氏から「地方にもいい企業がたくさんあり、自治体、民間、政府が一体となって、今後どうアピールしていくかが課題のひとつとなるだろう」とあらためて地方自治体の人手不足に対して問題提起をし、官民協力の施策で問題解決を行っていく姿勢を示した。

 

閉会の挨拶には根本匠厚生労働大臣が登壇し、「本日のシンポジウムをきっかけとして、地方の魅力的な仕事が注目される機運が高まり、これから地方でチャレンジしようとするすべての人々に、はじめの一歩をより踏み出しやすい環境が生まれていく社会になることを祈念しています」と会を結んだ。

 

最後に、改めて今回の取り組みの背景についてまとめると、地方には優れた中堅・中小企業や、魅力的でやりがいある仕事、そして、豊かな生活環境やワークライフバランスに恵まれた充実した生活がありながらも、地方にそのような自己実現ができる職場があることがあまり知られていないことが課題となっている。

そういった課題を解消すべく、今回、政府、地方の商工会議所・商工会、求人サイトを運営する民間事業者など官民が一体となり、「スマートフォンで日常的に触れられる求人メディアにおいて、正確、かつスピーディに、より多くの地方企業の求人情報を提供する取り組み」を開始した。この取り組みにより、高まりつつある首都圏早期離職者の地方移住への関心に応え、地方の中堅・中小企業とのマッチングをはかっていきたいとしている。

そして、より多くの地方への移住・転職希望者や地方企業をはじめ、地方の商工会議所・商工会、地方自治体、大学などの皆様に本取り組みを知っていただきたいとのことで、2019年3月18日に東京都内で、政府、民間人材ビジネス事業者、地方に実際に移住・就職した方々を交えた、シンポジウム「スマホで見つける地方のしごと」の開催に至ったものである。

今回行われたシンポジウムの様子は厚生労働省と経済産業省のHPや政府インターネットテレビにて視聴することができる。

また、今回の取り組みについての内容の詳細は厚生労働省と経済産業省のHPで確認することができる。

2時間のシンポジウムで話された、より詳細な内容をぜひご確認いただきたい。

 

厚生労働省HP:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04055.html
経済産業省HP:https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/jinzai.html
政府インターネットテレビ:https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg18669.html

地方での人手不足や若者の再就職支援などにかかわる重要な施策として、今後の取り組みの展開についても注目をしていきたい。

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